Apricot Fizz

32話_side葛葉 ページ33

作戦は順調だった


俺たちは予定通り叶の指示に従い、望月財閥のトップがいる部屋へと確実に近づいていた


先に現地を調査していた叶と社長を中心に


経路はあえて複雑な、でも確実なものを考えてくれた










葛「この服あっちぃな…」


明「だねぇ…でもほらこの階まで来たってことはもうちょっとだよ！あと3階くらい！」


葛「いや充分遠いわ」










普通の人なら絶対に通らないような裏道とか非常階段とか使ってるからもちろん時間はかかる


それでも当初考えていたよりは早く進んでたんだ









何もかも上手くいってたのに














葛「次はここを曲がっ……！？」


明「葛葉くん？」


葛「伏せろ！！！！！」












途端に聞こえた銃声














廊下の奥には高そうなスーツを来たやつが1人


その周りに8人…かそれくらい。暗くて分からない












葛「くそっ、誰だ」















暗闇に目が慣れてきて


ふわっちからの情報で聞いていた望月財閥の戦闘集団のユニホームが俺の目に映った







嘘だろ






なんで












父「やぁ…待っていたよ」








父「初めましてで申し訳ないんだけどね？」










父「君たちには消えてもらおう」

















明「な、なん、で」


葛「立て！銃抜け！」


明「う、うん！」


葛「おい叶！聞こえるか！？叶！！！！！」










インカムからはｼﾞｰｼﾞｰと無機質な音が鳴る

様子が明らかにおかしい










葛「こちら葛葉！接敵しちまったから応戦する！ターゲットもいる！叶！社長！……おい！！！」


明「かなかな…っ、にげて……Aちゃん、イブちゃんはやく……にげて」







"叶「ど……たの！？……」"











電波妨害でも受けてんのか



そもそもなんでこいつら俺らが来るって分かったんだ



どこから情報が漏れた









俺たちの中に…内通者がいるのか？











葛「ﾁｯ……」












葛・明「「逃げろ！！！！」」









叫んだ瞬間


2人で一斉に後ろを向き


全速力で階段を降りた

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