Apricot Fizz

17話 ページ18

イ「…」


『…』


不「ね！このピアスおそろにしようよ〜」








あれから数週間後




私と不破さんとイブラヒムさんの買い物
(命の危険を感じる)

が幕を開けた










イ「…そんな軽装でバレないわけ？」


『私もそう言ったんですが不破さんが』


不「せっかく可愛いんだからかわいい服着せたいじゃん〜」


『とかなんとかほざきやがってうるさかったので妥協してもらって帽子だけなんとか被ることに成功しました』


イ「あ、そうっすか…」











なんなんだよもう…という声が後ろから聞こえる




不破さんはというと

うっきうきで私の洋服やら家具を買っている

もはや私の意見などないも同然








2、3時間ほど振り回されて

ちょっと休憩しよか〜と歩き出した時














イ「待って」









急にイブラヒムさんが立ち止まり









イ「こっち、早く」









横にそれて歩いていた私の腕を思い切り引き


不破さんとイブラヒムさんに前後で挟まれる形になった











『ちょ、なんっ』


不「しー…静かに」


イ「黙ってて」









不破さんに後ろ手に手を引かれ

背後の至近距離にイブラヒムさんがいる

周りから見れば異様な光景が完成した






ちらっと背後を見ると






『あ、』








あの日








怪我をした日に追ってきていた人と

同じジャケットを羽織った人達が数人

おそらく私たちをつけている












『はっ……ふ…』









ガタガタと全身が震えて上手く歩けない











イ「ﾁｯ、だからちゃんと変装しろって言ったんすよ」


不「あとでいくらでも説教聞くからとりあえず撒くよイブちゃん」


イ「あーもう！おい！」


『な、に……』












イ「ぜっっっっったいに怒んなよ」











投げやりに吐き捨てたかと思えば









『うわぁ！？え、ちょっ』











いとも簡単に私を抱き上げた











『おろ、おろして…っ』


イ「不破さん頼んます！」


不「おっけ〜あとで合流ね」













バチッとウィンクをして


不破さんは追っ手の方へと逆走していった











『ふわさ、ふわさん！！』


イ「じっとしてくれ頼むから！」











イ「あの人なら大丈夫だから」












どんどん遠くなる紫を見つめながら


私はただ振り落とされないようにしがみつくしかなかった
















・







※少し手直ししました

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