桜とぼくと君 (ページ2)

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1.The first day ページ2

北斗side

4月_______________

それは出会いの季節。

別にいじめられている訳ではなかったが中学に馴染めなかった俺は家から少し遠くて知り合いが誰もいない高校へ入学した。

そうそう。僕と君の出会いは入学式だっけ。

入学式当日。周りのヤツらが友達と一緒に登校しているなか、俺は特に一緒に来た人もいなかったから入学式までの時間を学校に咲いた桜を見て潰すことにした。

「...うわ、綺麗だな」

「ほんとだよな。まじ綺麗」

...誰に言うでもなく呟いた声に突然返事がきて俺はびっくりした。

隣をみると同い年くらいに見える男の子。くりくりした目にしっかり眉。俺とは違ってワイルドさがある、にこにこ笑顔がすごく似合ってる子だった。

これは友達ができるチャンスだ、なんて思いながらも人見知りな俺はその男の子に声をかけることはできなかった。

ああ、高校でもまた上手く馴染めずにすごすのかなんて思いながらでもこの子ともうちょっと喋りたいななんて思って男の子を見ていると目が合ってしまった。

「どした?俺の顔になん「慎太郎ー!もうそろ行けるってよー!」おう!も、いくわー!」

「ごめ、じゃまたね」

これから会話がちょっとでもできそうだったのにその子は友達に呼ばれていってしまった。

...あとちょっとだったのに。というか、あの子はしんたろうって言うのか。友達多いのかな。俺の事覚えててくれるかな。また、会いたいな。

ごちゃごちゃぐるぐる色々考えていたら知らない間に周りには誰もいなくなっていて。俺は急いで体育館に向かった。