手を、2【五条悟】

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〜五条 side〜

手術を終えて医局に戻ろうとしたらスマホが震えた。

硝子だった。




「もしも、」

「五条！！ Aが、交通事故に遭って……っ！！」

「…………は？」




俺の言葉を遮って言う硝子の言葉が理解できない。

上手く脳が処理をしてくれない。



それなのに硝子は焦った声で矢継ぎ早に言う。




「頭部外傷が酷くてオペ中だって……！」




頭部……外傷……

俺の専門外だ


なんで、俺はこういうとき何もできないんだ




「五条今どこにいる」

「……今、第4オペ室から出てきたとこ」

「……そっち行く。Aは第2オペ室だって」

「……うん」




……今日は、病院にきて定期検診を受けるって言ってた。


夜ご飯、何がいいかな？ って
俺が食う訳でもないのに聞かれて

ちょうど昼休みで生姜焼き定食食べてたから生姜焼きって答えたっけ。


俺もAの生姜焼き食べたいな

傑ばっかりずるい


そう思った。




でも今はどうでもいい

誰がAの生姜焼き食べようが、なんだっていい

Aが生きてさえいてくれれば……




「五条、！」




硝子は白衣を靡かせて走ってきた。




「……硝子……」

「……なんて顔だよ」

「硝子だって、」




硝子のこんなに焦った顔、見たことない。




「……行こう」

「……うん」




お願い、神様


Aのこと、助けてください




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