＃0 クラピカとパイロ ページ1
「パイロに好きな子がいる、いない、いる、いない…」
そんな声が緑の生い茂る森の中、鳥の囀りと共に小さくこだました
声の主は花畑に座る1人の少女
腰まで伸びた金髪を春の風に揺らしながら、淡い桃の花びらを千切っていた
幾重にも重なる花びらも残りは1枚
その答えは、
「…いる」
ボフッ
同時に花畑に倒れ込む
今日は快晴
気持ちいい程に晴れている
それなのに、クラピカの心は暗く沈んでいた
「やっぱりいるのかー」
『パイロの好きな人』
声に出さないのは自分の小さな意地だったり
柄にもない大きなため息が口からこぼれる
別に、パイロに好きな子がいたっていいんだ
うん、そう
……寂しいなんてそんなの、思わない
でも、
好きな子がいるってことは大事なことだ
大事なことだからこそ、教えてもらい
だって、私はパイロの1番の友達だ
それなのに、
何で私にだけ秘密なの？
不意に涙がこぼれそうになる
慌てて空を見上げたときだった
「クラピカ！」
私と同じ幼い声
私が1番大好きな声
顔なんてみなくたってすぐに分かる
「パイロ！」
いつの間にか悲しい気持ちはどこえやら
急いで起き上がると、クラピカはパイロの元へ、パイロはクラピカの元へと、2人同時に駆け寄った
「どうしたの？」
「クラピカを探してたんだよ」
「私？」
「うん。クラピカのお父さんもお母さんも。みんな」
…
「えぇ！？」
何で私を！？
私何か悪いことしたっけ？
…ジイ様の角をペチャンコにしたこと？
いや、それは先週にバレちゃったし……
「…私、何した？」
「…」
パイロ、
呆れたように私を見ないでくれ
確かにいたずらは沢山してるけれど…
「…クラピカ。もしかして、覚えてないの？」
「へ？」
覚えてないって何を？
そう言うと、困ったようにパイロは笑った
「クラピカ、今日誕生日だよ」
「あ！」
そうだ、今日は4月4日
私の誕生日だ
「もう、やっと思い出した？ほら、早く行こう。みんな、クラピカを待ってるよ」
私の前に差し出されたパイロの手
その手を握ると、ふわりとパイロが笑った
「行こう！！」
後ろを向いて、急に走り出す
「ま、まってよ！」
転びそうになりながらも、パイロに手を繋がれたまま私も走り出す
ふと、パイロが後ろを振り返った
「クラピカ！誕生日おめでとう！！」
太陽みたいにキラキラ笑う君
ほんの少し、鼓動が早くなる
「ありがとう！」
クラピカがパイロに抱いた初めての感情
それは友達の？
いや、もしかしたらこれは…
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純花 - 頑張って下さい！ (2019年10月5日 10時) (
レス) id: d5c5fac556 (このIDを非表示/違反報告)
柊 ニイナ - 久しぶりに更新をしてみたら、なんということでしょう、星が黄色になっていました。評価して下さった方、お気に入り登録して下さった方、小説を読んで下さってる方、本当にありがとうございます。気まぐれな作者ですが、これからもよろしくお願いします。(o´ω｀o) (2015年8月20日 0時) (レス) id: 00fd6c485f (このIDを非表示/違反報告)
◇ライト◇(プロフ) - 柊 ニイナさん» はい！楽しみにしてます(*´∀｀) (2015年3月6日 23時) (レス) id: 27e7b74444 (このIDを非表示/違反報告)
柊 ニイナ - ◇ライト◇さん» ◇ライト◇さん、ありがとうございます。学生の敵（テスト）をやっと倒せたので、これからは更新率増やしていけるよう頑張りたいと思います。 (2015年3月6日 5時) (レス) id: dfd590a73e (このIDを非表示/違反報告)
◇ライト◇(プロフ) - すごく続きが気になります！更新頑張ってください！！ (2015年3月5日 1時) (レス) id: 27e7b74444 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柊 ニイナ | 作成日時：2014年12月10日 22時
