【実ｼ兄者】彼は地獄を蹂躙す【ωrωrd!】 (ページ38)

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飴と鞭ページ38

アロマ上官から「A。おまえ曹長に推薦してやるよ。」と拍手をもらった

『どうも。』

「いやぁお前ほどの逸材がいたんだな
蛆虫…ｸｸｯ、確かに言えてるかもなぁ。」

チームは唖然。
私も唖然、とまでは行かないが、速くも昇格、という状況に手足が冷えていた。

「材料も道具もなんにもない砂漠の真ん中に旗を立てるにはどうしたらいい？」

急にそう言われまた更にざわつくその場。
そんなの出来ない。さばくってどこ？
これだから男は
千差万別の声。

ばかだなぁ。

『軍曹を呼んで「旗を立てろ」と一言命令すれば良い。』

声を張り上げるとまわりは「軍曹以下が…」と嗤ったりするひとがいる。

アロマ上官はそれを見て鼻で嗤った

「A、正解だ。」

『光栄でございます。』

つまりはそう言うことだ。とアロマ上官は笑う。
なるほど。

『つまりは蛆虫共の更生を行えば良いのですね』

いやぁ、口角が上がるわ。

───
──
─

朝から私を呼びかける声がして目覚める
チャオコールのさなか、声の主は私の扉の前で待っていた

「A曹長！！」

『子守唄を聴いてた私の目を強引に開かせるなど癪に障る事をする。』

プリープいじりをする3年生の猛威を掻い潜ってきたのだろう。

10文字以内で、と声をかけると勢いよく扉が開いた

『誰も扉の開放許可はしていないが。』

「じ、上官殿から!」

ドアノブに無造作に掛けられていた新しい制服に身を包み、短い髪の間から出てきた髪の毛を切る。

髪の毛が跳ねるだけの物をどうしてわざわざ寝癖と呼ぶのだろうか。

呼ばれた部屋は上官室。
扉を開けた。上からの主撃。身体を引いて躱す。
銃口をこちらへ向けた男の元へ走る

「うわぁぁぁっ！！！」

『シャオロン。』

大声が些か五月蠅すぎる。
顎を重点的に重たい辞書の角を当てた。
ゴﾁｯ、と小刻み良い音と、後によろけるシャオロン。

『就任祝いにこんなサプライズとは
中々手の込んだことをする。』

ターリア書記官は微笑んだ。

「コネか知らないけれど、実力も無いのに曹長就任おめでとう」

シャオロンはわかりやすく目を回した。

更生はじめがこんなのだなんて。

『はっ、実力も無い奴が上に立つ気分はどうだ
さぞかし滑稽な者だろう。

社会の歯車にすらなれない牙の抜けた蛆虫に噛み付かれたところでどう言うことは無い。』

私を睨む者、私を見下す者。軽蔑する者。

だからなんだと目の前を見据えた。

『あぁ、蛆虫共は乳歯すら無いんだったな。』