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このお兄さん、どこかで見たことがある。
・・・服装は大学生っぽい。学内ですれ違ったことがあるとかそのレベルかな。
お兄さんは慣れたようにお弁当、お茶を取りジャンプを取るとレジに持ってきた。
ジャンプ・・・あ、この人食堂でいつもジャンプ呼んでる駒場の主の人だ。たしか・・・
「ああ、加藤教授の。」
sgi「え?」
「え?え、あ、すみませんなんでもないです。」
sgi「・・・あ、D1の。」
バレた。
「・・・倉科です。お弁当温めますか?」
sgi「あ、お願いします。」
「えっと、合計で873円になります。」
sgi「ん、はい。」
「130円のお返しです。袋分けますか。」
sgi「いや、一緒で大丈夫」
沈黙。まあそうなりますよね。変に声出すんじゃなかった。
この人なんて人だったっけ。なんか派手な挨拶してたような。
"ナイスガイの須貝でーす"
あ、これだ。須貝さん。こんなテンションの人が博士課程にいるのかってあの時はちょっとびっくりした。
というかこの人お弁当温めるってこれ朝ごはんなの。多くない?
ピーピー
「お待たせしました。」
sgi「ありがと。朝早くからお疲れ。」
「あ・・・ありがとうございました。」
思った以上に落ち着いた優しい人だった。
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sgi side
「あ・・・ありがとうございました。」
ビビった。ナイスガイの須貝さんの方がだいたい先に出るのに教授名で覚えられているとは。
D1の倉科ちゃん。隣の研究室で怖いと有名な高田教授の下で研究をしている。
高田教授はまじで怖い人で修士でずたボロにやられ挫折する学生もいるらしい。
その高田教授のもとで修士を修了して博士課程とはすごい子がいるなと思ってたんだよな。
でも全然笑わない子で。
ナイスガイ挨拶にはかなり戸惑っていたような印象。
でも愛想が悪いと思いきや研究室交流の場では淡々と話すような、不思議な子だった。
1対1で話した時に倉科ちゃんって呼んだ時も嫌な顔一つせず、というか表情は変わらず。
たぶん人が嫌いとかそういうことではなく単純に興味がないんだろうな。
でもそんな子がコンビニの朝のバイトとは。
ちょっと気になる子だな。
これが倉科ちゃんと関わっていくことになるきっかけになるとは。
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作者名:たらこ | 作成日時:2021年4月15日 20時