inferiority【QK】

38 ページ38

すっかり忘れておりましたがこの世界線で某ウイルスはないものとして扱っております。

===========================


あれからQuizKnockの動画をいくつか見た。


声だけの出演の時から人気あるんだ。


優しい声だもんね。


・・・拳くんキラキラしてるなあ。


このお仕事好きなんだね。良かったね。


・・・私何やってんだろ。


今の仕事が嫌いなわけじゃない。とってもよくしてもらって温かくて居心地の良い空間。


でもやっぱり、胸を張って私は今こんなことしてる、とは言えない気がした。


もう、会うこともないし、良いんだけどね。


それからは働きながらたまに拳くんの動画を見て過ごしていた。


あれから食品衛生責任者の資格も取って、大将が奥さんの病院に行っている間はお店を任せてもらっている。


定食屋さんなんだけどちょっとした個室スペースみたいな席も2つあって、ちょっと仕事で込み入った話をしたい人とかも利用してくれてる。


最近はUberEatsに登録してみようかなんて大将と話し合ってやり方が分からなくて断念したりと色んなことを経験していて。


飲食店だから拘束時間は長いけど日曜は定休日だしそれなりに楽しく仕事している。


そんなある日の夜のことだった。


ｶﾞﾗｶﾞﾗ
「いらっしゃいませ、4名様でs・・・」


言葉を失った。


あの時逃げてしまった、拳くんがびっくりした顔をして立っていた。


sgi「今個室スペースって空いてますか？」


「え、あ、はい・・・空いてます、ご案内しますね。」


動揺しちゃった・・・もうこうなったらしらを切るしかない。


4つお冷とおしぼりを持って個室へ向かった。


「すみません、お待たせしました。こちらお冷とおしぼりになります。」


fkr「A・・・だよね？」


「え、あ・・・すみません人違いじゃ」


fkr「なわけない！今までどこにいたの、なんで飲食店で働いてるの、就職したんじゃn「ちょ、福良落ち着けって」」


izw「すみません、なんかびっくりさせちゃって」


「い、いえ・・・でもほんとに人違いだと思います。ご注文お決まりになりましたらお呼びくださいね。あ、今日の日替わりはチキン南蛮になります。じゃあ失礼します。」


拳くんがずっとこちらを見ているのが分かって怖かった。

39→←37

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す