帯に短し襷に長し

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弟「で？そっから2人きりになることは？」


「何回か、あるよ。」


弟「そんで？告白は？」


首を横に振ると弟はため息を一つ吐いた。


弟「忠実に守ってくれてんだ。めちゃめちゃ良い人だな、ほんと。そんで？そんなこと言ったねーちゃんはどうなの。」


「・・・分かんない。」


いざなにも言われないとなるとやっぱり好きじゃないんじゃないかって思うし、そう思うと悲しくなるし。


弟「悲しいんだろ？じゃあもう答えは出てんじゃん。」


「じゃあ、それで好きですって言ったとして、どうすればいいの？どの福良さんでいてもらえばいいの？」


元の福良さんって今みたいな福良さん？気持ちが分かんなすぎる。
でも私が出した要望を叶えてくれる福良さんはきっと福良さんじゃ、ない。


弟「ねーちゃんは、この数ヶ月、その人の何を見てたのさ。」


「何をって、」


弟「ほんとにそれで違うタイプと付き合いたくてその人のことが嫌で言ったわけじゃないだろ？その人の好きを確かめたくて言ったんじゃん。それに気付けてないならただの馬鹿だよそれは。」


「・・・馬鹿でいいよもう。」


弟「そこで折れんな。・・・その人は、ねーちゃんのためなら自分を変えられるくらいねーちゃんのことが好きで、絶対ねーちゃんのこと傷付けたりしない、めちゃめちゃ大切にしてくれる人。そんでもってねーちゃんはその人のことが好き。それでいいだろ。」


「でも、」


弟「そこが付き合いはじめるっていうスタートラインなんだよ。その後2人がどういう風にするかはそこで考えりゃいいの。結婚じゃねえんだから。付き合って合わなきゃ別れりゃいい。とにかく一回その人に思ってること言ってみな？その人は思ってること全部言ってくれたのにねーちゃんだけ黙ってるはフェアじゃねえよ。」


「・・・うん。」


そう言われて福良さんに何度か話をしてみようと思ったけど、タイミングが合わず。
2人きりになることって、実はめちゃくちゃ難しいの、かもしれない。

そうこうしているうちに2週間経ってしまっていた。

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