inferiority【QK】 another story

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大学を卒業して就職して。
社会人としてのスタートは順調。

1年目の冬、クリスマスイブを次の日に控えた金曜日の夜同じ部署の先輩の大谷さんから告白された。

嬉しかった。

大学で彼氏はいたけどいっつも私から告白してて。
この人の1番は私じゃないんだって思っていつも別れてた。
大谷さんはバリバリ働いて仕事が出来る人で、福岡から上京したらしい彼はたまに出る方言がかっこよくて素敵で。

毎日彼とアイコンタクトを取ったり、社内メールで会話したり、毎日が楽しくて。
始めて心の底から好きになった。

幸せな日々は1年も続かなかった。
2年目の10月、大谷さんに海外赴任の内示が出た。


上司「大谷、アメリカだって？すごいじゃないか。」


大谷「ありがとうございます。ずっと希望出してたのでやっとって感じですけどね。」


上司「いつから行くの？」


大谷「年明けには。」


上司「そうか。婚約者の彼女は連れてくの？入籍は今度の12月なんだろ？新婚早々海外とはタイミングがいいのか悪いのか。」


・・・入、籍？

婚約者って、今、言った？

放心状態。
私、ずっと浮気されてたの・・・？


同僚「大谷さん、大学時代からの彼女とやっと結婚すると思ったら海外なんて彼女さんも可哀想ね〜。」


違う。
浮気相手は私じゃん。


大谷「・・・A、今日、話せる？」


「・・・はい。」


その日の仕事後、会社の最寄の喫茶店で待ってたら大谷さんがやって来た。


大谷「あ、のさ。」


「私、浮気相手だったんですね。」


大谷「去年の、あの時、彼女と喧嘩してて。結婚してくれないなら別れるって言われて。女の子ってやたらと結婚にこだわるから、うんざりしてて。・・・Aと働いてたらそんなこと全部忘れられて。・・・ほんとに好きだったんだ。」


「でも、彼女さんと結婚を決めた。そうでしょう？」


大谷「・・・ごめん。一生を添い遂げるって考えた時に、やっぱり、彼女の笑顔がちらついて。」


「・・・分かりました。お幸せに。」


大谷「Aも、幸せになって。」


・・・私はやっぱり1番になれない。

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