inferiority【QK】 another story

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芽衣も福良くんもお互いのこと1番に思ってるのに、なぜかすれ違ってた。
原因は福良くんの悪口言う奴はほっとけばって考え。
芽衣のネガティブ思考もあって高校は福良くんと別のとこに行った。

ライバルがいなくなって、芽衣の1番を独占出来た。

芽衣は高校に入学する頃にはすっかり細くなって、黒くてサラサラの綺麗な髪と真っ白な肌も相まってめちゃめちゃ可愛くなって。
芽衣の1番近くにいられて嬉しくて。

そんな時ちょっと気になる人が出来た。

サッカー部の先輩。
爽やかでサッカーしてるところが素敵で。
いつも芽衣の部活について行って家庭科室の窓から見つめてた。
でも1度も先輩と目が合うことはなかった。

・・・先輩はずっと、芽衣のことだけ見てたから。
また、1番になれないって実感した瞬間だった。

先輩は割と諦めずに芽衣のこと誘いに教室に来てたけど、芽衣の代わりに断るのはいっつも私で。

ちょっとは意識してもらえるかなと思ったけど、先輩の目がこっちに向くことはなかった。


「芽衣はさ、誰かと付き合いたいな〜とか思うことないの？」


芽衣「うん？そうだね・・・高校の間は、恋愛はいいかなあ。男の子、あんまり好きじゃない。」


結局芽衣は先輩のことをふり、先輩を見かけることがなくなって私の片思いもあっけなく散った。

芽衣の方が好きだったし、芽衣のことを恨むとか嫉妬するとか、そんなことは全くなかったけど。
ちょっとだけ、寂しかった。

高校3年になって私の連絡先を知った福良くんに呼び出されて芽衣の志望校を聞かれた。

芽衣、嫌がると思うけど、私は双子の存在が羨ましいよ。
だってどっから見たって福良くんの1番は芽衣だもん。
私にもこんな存在が、欲しい。
芽衣が福良くんのこと同じように思えないなら、私のこと、1番に思ってよ。

大学が福良と同じになっても芽衣たちの距離は埋まらなくて、卒業と同時に福良の前から消えるって聞いた時、福良に勝ちたかったはずなのに、ほんとにこれでいいの？って思ってしまった。

芽衣の1番でいたいはずなのに、2人の1番はお互いであるべきだって、心のどっかでは思ってたんだと思う。

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