inferiority【QK】 another story (ページ17)

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次の日急いで仕事を片付けて家に帰ると芽衣がソファでぐったりしていた。
雨に打たれて風邪でもひいたのかな。
元から体強い方じゃないんだから・・・

謝ろうと思ってたのに芽衣もずっと謝って来て、謝りあって。
仲直り、なんてものは必要なかった。

芽衣に良い人いないの？と聞かれた時ドキッとした。

タイプを聞かれて答えた3つ。

背が高くて優しくて、私の意見を否定しない人。
とっさに嘘を混ぜちゃった。

・・・逆に意識しちゃってる、昨日話したから、かな。

そんなことを考えていたらお粥を食べ終わった芽衣が遠慮がちに口を開いた。

芽衣「ねえ、A？」

「んー？」

芽衣「山本くんと、何かあったの？」

「は？！」

なんで。
私は山本くんと飲み友達どころか連絡先を交換してることも芽衣は知らないはず。

「山本くんてQuizKnockの？山本くんが、どうしたの？」

芽衣「・・・A、あのね。」

「うん？」

芽衣「Aがいっつも私の色んな事に気付いてくれるでしょ？私もちゃんとAのこと、気付いてるよ。」

「・・・いつ気付いたの？」

芽衣「んー、最近楽しそうだなって思ってはいたけど。前、オフィス行ったとき、山本くんがずっとAのこと見てた。それに、Aが山本くんの方、意図的に見ないようにしてたでしょ。違う？」

「・・・山本くんとは、飲み友達だったの。」

芽衣「だったって、友達、やめちゃったの・・・？」

「私、もう1番になれない恋愛はしないって言ったじゃん。山本くんのこと、好きになっちゃったから、もう友達には戻れないんだ。」

芽衣「でも、山本くん、Aのこと、」

「言わないで。」

芽衣「え？」

「言わないでって、山本くんにも言ったの。」

芽衣「・・・なんでか、聞いてもいい？」

「山本くん、私より3つも下だよ。まだ恋愛なんて1人に決めないじゃん。」

芽衣「A・・・怖くなっちゃったの？」

「・・・もし今付き合ったとしても、いつか山本くんの中で自分が1番じゃなくなるかも。それが、怖い。」

芽衣「ねえA、もし山本くんが30歳超えてる年上の男性だったとしても変わらないんじゃ、ないかな。何歳になったって人の気持ちは分からないと思う。一途な人は、何歳になったって一途だよ。」

「・・・芽衣に痛いとこ突かれるなんてねえ(苦笑)」

私よりも芽衣の方が、よっぽど大人なのかもしれない。