inferiority【QK】 another story (ページ14)

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電車から降りて足を止めずに走って枯淡に辿り着くと何も知らない芽衣がそこにいて。

初めて芽衣の大きな声を聞いた。
福良と再会した時よりよっぽど焦ってる。

福良だけじゃない、須貝さんまで巻き込んだって思ってるんだよね。

でも福良からは電話、須貝さんからはLlNE。
芽衣、芽衣は愛されてるよ。
気付けたんだもんね、須貝さんが好きって。

・・・なんでこのタイミングでこんなことばっか。

幸せにしてあげてよ。
やっと家族と仲直りできて、初めて好きな人出来たんだから。

その日はQuizKnockの人が家まで送ってくれて、次の日福良からの伝言でオフィスに行くことなった。

不安は的中、芽衣はいなくなるつもりだった。
須貝さんが止めてくれてよかった。
私以外にちゃんと芽衣の変化に気付いてくれる人、いるじゃない。

落ち着いた芽衣が須貝さんと部屋を出て行った後だった。

ymmt「ねえ、Aちゃん、僕とちょっと話さない？」

・・・うん。
こっち見てるなって気付いてたよ。

「芽衣が戻ってくるまでなら。」

頷いた山本くんと廊下に出た。

ymmt「あの、さ。最後にAちゃんがくれたLlNEについてなんだけど・・・。僕、Aちゃんとご飯行くの楽だから行きたいって言ってるわけじゃないよ。」

「楽じゃないの？せっかくの友達とのご飯なのに？それじゃ楽しくないじゃない(苦笑)」

ymmt「そうじゃなくて！・・・僕、Aちゃんのこと1番大切にしたいと思ってる。」

「っっ・・・」

山本、くん。
山本くんの好きな女の子って、私だったわけ？
ちょっと、待って。

ymmt「ずっと、僕だったらって思ってた。Aちゃんのこと、友達って思ったこと、ない。」

あんな重たい話、したから？
こんな若い男の子に話して唆してたの私。

ymmt「今、言うことじゃないって分かってる。でも今逃したらAちゃん僕とご飯すら行ってくれないと思うから。僕、Aちゃんのこと「言わないで！！！」・・・え、」

「言わ、ないで。」

ymmt「僕じゃ、ダメ、かな。」

「ごめん、山本くんみたいな若い子に聞かせる話じゃなかった。一番とか、そういうの全部忘れてくれていいから！・・・同情とか、そういうの、年下にされる程、弱ってない。」

ymmt「・・・僕が年下だからダメって言うの。」

山本くんの言葉には答えず部屋に戻った。