inferiority【QK】 another story (ページ15)

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その後須貝さんと話してたはずの芽衣も様子がおかしくて。
須貝さんとなんかあったことは明白。

途中で芽衣に聞こうかとも思ったけど須貝さんもいるし、山本くんからの目線にも耐えられなくてずっと黙ってた。

家に着いて芽衣に話を聞いたら、須貝さんのこと振ったって。
なんでそこでファンがどうとか人気がどうとか出てきちゃうのよ。
それで1番大切な人傷つけて、逃げて。

芽衣に強く言っちゃったのは、それだけが理由じゃない。

私も完全に、山本くんから逃げてる。
芽衣と自分を重ねて、ムカついて。

喧嘩みたいになってしまった。

自分の部屋に入りドアに背中をつけてもたれて呟いた。

「逃げたのも傷付けたのも私でしょ・・・ごめん芽衣。」

須貝さん。
大切にしてくれようと差し伸べてくれた手を、振り払ってしまった時は、どうすればいいですか？

最近は芽衣に会わないように早めに起きて家を出てる。
早く行って完成させておきたいデータがある、なんて自分に言い聞かせてる。

あれから何したって上手くいかない。

早く家を出たせいか電車で嫌いな上司に会い、会社に着くまで気まずい思いをした。
昼休みにコンビニでお気に入りのスープを手に取ろうとした瞬間違う人に持っていかれた。
データをまとめたらなぜか数値が合わなくて30分も時間をロスした。
ストッキングが伝染したから新しいのを履こうとした瞬間新しいストッキングが伝染した。

地味に嫌なことが続いている。

同僚「日野ちゃん最近散々じゃん。なに、失恋でもした？」

「・・・ま、ある意味失恋したわ。」

同僚「ええ？！話、聞く？？」

「今日、飲み会じゃん。」

同僚「隣座ろ！聞く聞く！」

そんなこと話しても所詮飲み会、話すことなんてできるはずなく部長と1個上の先輩の面倒を見てるうちに終わって話をする時間もなく解散。
駅までの道を歩いていると芽衣と芽衣の元カレが喫茶店に入って行った。

・・・芽衣、合わなくて別れたって言ってたじゃん。
なんでよ。しかもなにこの男。だからって傷付けて別れていいわけないじゃない。

そんな元カレの手取るくらいなら迷惑かけてでも須貝さんの手掴みなさいよ。

お酒も相まって気持ちのまま芽衣に詰め寄ってしまい、芽衣は泣きながら喫茶店を出て行ってしまった。

・・・完全に喧嘩、しちゃった。