inferiority【QK】 another story

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Aside


山本今日だったよね?芽衣ちゃんばっか気にして自分のこと疎かにしちゃだめだよ?気を付けてね。


優しいな。
良い子だわほんと。

ありがとうってお辞儀してるパンダのスタンプを送ってスマホを鞄にしまい込む。


枯淡でまさかの須貝さんと会っちゃって見送られた芽衣は苦い顔。
そんな顔するのは好きだからなんだけどな〜。

芽衣に注意事項を再三言って大学の友達と合流してお店に入った。


・・・結果から言うと最悪の合コンだった。


最初の1杯以外飲んでないはずの芽衣はなぜかめちゃめちゃ酔うし私の隣にいる人は自分の自慢をしながらやたらと肩に顔を乗せてくる。


男「この後どう？」


「友達連れて帰らなきゃなんで(苦笑)」


男「芽衣ちゃんなら友永が持ち帰ると思うけど。」


そんなことさせるわけないでしょ。
酔い覚ましで廊下に出した芽衣が差し出された水を飲もうとした時、王子様みたいに須貝さんが現れてウーロン茶がウーロンハイに変えられていたことが発覚。
女子は私も含めて相手のチャラさにうんざりしていたのでそのままお開き。
完全にキレてる福良に芽衣は連れ帰られてしまった。


友達2人はそのまま飲み直すらしく私も誘われたけどそんな気分になれなくて断った。


sgi「Aちゃん送るわ。芽衣ちゃんいないなら1人は危ない。」


この人が芽衣の相手で良かった。
芽衣、早く須貝さん捕まえないとかなり良い人だよ。


「それにしても須貝さんめちゃめちゃカッコいい登場とカッコいい立ち振る舞いでしたね〜さすがナイスガイ。王子様みたいでした。」


sgi「そりゃどうも。ダッシュした甲斐がありますわ。まあ今頃お姫様は双子の兄ちゃんにたんまり叱られてるだろけどな。」


「いいなあ。」


sgi「お？」


「芽衣には、自分のこと1番に思ってくれる人が何人もいて。いいなあって。」


sgi「じゃあAちゃんも1番大切にしたい相手を見つけねーとな。自分が大切に思う相手には、思い返されるもんよ。」


「なるほど。今須貝さんはその大切って気持ちを芽衣にぶつけてるわけだ？」


sgi「理解の早い子は好きですよ。満点あげましょう。」


なぜか合コンの間中ずっと、山本くんの顔がチラついてたのは、きっとそういうこと。
でもすでに山本くんには1番がいるんだよね。

1番になれない恋は、もうしない。

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