90話 ページ2
よし、術式の調整も終わった。
訓練に向かうか。
「いつも思うが、よくそう易々と術式を作れるな」
『私には左眼があるからな。どう呪力を流せばどんな効果が生まれるか、分かるんだよ』
私の術式、呪力支配は可能性が無限大だ。
ただ、この左眼が無ければ出来ることが限られるというだけで。
「だが、初めから分かった訳では無いだろう」
『そりゃあね。実験に実験を重ねて、試行錯誤の繰り返しさ』
幸い、時間は腐る程あったし、誰も私の事を気に掛けはしなかったからな。
いつでも好きなように訓練出来た。
「研究者気質だな」
『自分でもそう思うよ』
知らないこと、分からないことを放っておけないのさ。
『私からすれば、左眼を使わずにこの術式が使える宿儺の方が凄いと思うけどな』
複雑な組み方でも宿儺は再現できる。
少し嫉妬してしまう程だ。
「経験が違うだろう。それに、術式の解釈を広げる時と似ていたからな」
『解釈の拡大ねぇ…』
まだ広がるだろうか。
「お前は実戦で成長していくだろう。もっと経験を積め」
『…そっか。分かったよ』
まだ限界では無いようで何よりだ。
さあ、別の経験を積みに行こうか。
高専の先生役…呪詛師役か？
「お、来た来た」
「どんなのが出来たのかしら」
「Aのことだからなー、ヤバいの作ってきたんじゃね？」
期待が大きいな。
だが、今回作ったのは比較的地味な術式だ。
『お待たせしました。ルールに希望はありますか？』
「Aは今日作った術式一つだけを使用すること。但し呪力による身体強化は可能とする。みんなは好きに戦って良いよ！時間は…そうだなぁ、30分で！」
『反転術式の使用は』
「ダメ〜。使わなくても余裕でしょ」
それ程余裕という訳でも無いが。
私は体術が得意という訳では無いからな。
素手ならば尚更だ。
接近戦にならないように気を付けるか。
「勝ち負け無し？」
「ん〜…欲しい？」
「ザギンでシースーね」
「あ、釘崎ずりぃ！俺ビフテキ！」
「美味い物が食えたら何でも」
「みんな欲張りだね〜。じゃあAに膝を着かせたら、Aが奢ってくれるよ！」
何でだ。
私に何のメリットがあるんだ。
『私にも何かあるんですよね？』
「え〜。…いらないでしょ？」
ほう。
未成年をタダ働きさせるつもりだと。
「訴えられてしまえ」
「ちょっと。1000歳越えのおじいちゃんは黙っててくれる？」
「あ"？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 803人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
reelay(プロフ) - らーゆさん» 最高だなんて言っていただいてありがとうございます！週一更新で亀の歩みですが、楽しんでいただければ幸いです！ (1月30日 4時) (
レス) id: ea44b75aca (このIDを非表示/違反報告)
らーゆ - 本当に、、、最高です。。。！！続き待ってます！この作品大好きです！！！ (1月30日 0時) (レス) @page44 id: 3acf2c335e (このIDを非表示/違反報告)
reelay(プロフ) - 圧倒的睡眠不足さん» コメントありがとうございます！確かに夢主さんのチートでゴリ押してるのは中々無いかもですね！？これから活躍してきてくれると良いなと思いながら書かせていただきます！ (1月6日 20時) (レス) id: ea44b75aca (このIDを非表示/違反報告)
圧倒的睡眠不足(プロフ) - 他にはない救済方法がなんとも刺さる…！更新楽しみにしてます！ (1月6日 17時) (レス) @page40 id: 97d79e1a3f (このIDを非表示/違反報告)
reelay(プロフ) - サクラさん» 拙作を見ていただき、またコメントありがとうございます！甘々イチャイチャ良いですよねぇ…。夢主には甘いけどその他にはさほど興味無い宿儺様が個人的には好きなのでそんな感じを出していきたいです！何卒よろしくお願いします〜 (^^) (12月2日 20時) (レス) id: ea44b75aca (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：reelay | 作成日時：2023年4月9日 15時
