43話 ページ45
うぅ…腰が痛い。
起きられないな、これは。
「起きたか」
『おはよう宿儺。今日はゆっくり寝てよう？』
「起きられないか」
昨夜やり過ぎたことを少し反省しているのだろうか。
バツが悪そうな表情でこちらを見ている、可愛い。
『うん。今日はベッドから出ません』
「なら、生得領域に来るか？あそこならば少しは身体が楽だろう」
『良いな、それ』
「では行くぞ」
いつもの浮遊感。
落下地点は頂に座る宿儺の真上。
胡座の上で姫抱きにされる。
どうやら、この体勢がお気に入りらしい。
「以前も思ったが、軽いな。食べているのか」
『身体を動かすための食事はしてるよ』
「嘘をつけ。俺が知る限り、お前が食事をしているのを見たことがないぞ」
うーん。
何を言われるか分からないから、あまり言いたく無かったのだけど。
『確かに食べ物は食べてないよ。私の食料は呪力だから』
「は？」
信じられないものを見るような目で見られる。
まあ、そうなるよね。
『まあ普通の食べ物も食べれるけどね。こっちの方が楽だから』
「何故」
こんな身体になった理由か？
『昔の成育環境が良くなかったんだよ』
琴葉が術式を使い始めたのは五歳の頃。
それまでは欠陥品と言われ、冷遇されつつも食事も部屋も与えられていた。
変わったのはあいつが術式を自覚し、周囲の人間を魅了してからだ。
神代家の物置のような場所に閉じ込められた。
水も食事も与えられず、何日間も。
人は、飲まず食わずでは生きていけない。
幸い、物置は上質な呪具の保管庫だった。
気が付けば、私は呪具に込められた呪力を食べていた。
本来ならそれが栄養になる訳はない。
だが、私の術式が無意識の内に自分の体内を作り替えていた。
過酷な状況でも死なないように。
呪力を食べることで、生きていけるように。
空腹に苦しまずに済むようになった私は、周囲に人が寄り付かないことを良いことに、術式の練習に明け暮れた。
その時、私の左目の能力にも気付いた。
それからはずっと、人との食事が必要な時以外は呪力を食料にしていた。
負の感情から漏れ出た呪力を食べるだけでも良いため、呪いの発生抑制にも役立っていた筈だ。
味はどうかって？
味覚も共に変化させたからな、美味しく感じるよ。
宿儺の指は不味がっていた？
当たり前だろう。
呪力自体は美味いが、指は死蝋だ。
腐った人間の身体が美味い訳が無い。
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あ - 話進まなさすぎつまらない (3月18日 18時) (
レス) id: 464afcc8c4 (このIDを非表示/違反報告)
ななしさん - 初コメなのに質問で申し訳ないのですが、15話で、「相手の術式を成立させないことも出来ます」とありますが、妹ちゃんの術式が成立しないようにすれば、周りの人が魅了されるのを防げたり、魅了を解除出来るのではないのですか？ (2022年9月23日 19時) (レス) id: 5ca77bcde2 (このIDを非表示/違反報告)
reelay(プロフ) - ちづっきーさん» すー様は存在がもうイケメンですよね…設定は只々自分の好みをぶち込んだのですが、喜んでもらえて嬉しいです！応えられるよう、頑張りますね！ (2022年8月21日 22時) (レス) @page44 id: 2f7f62128e (このIDを非表示/違反報告)
ちづっきー(プロフ) - 宿儺様がイケメンです。この話めっちゃ面白くて好きです。他の小説にはない設定最高です！！更新頑張ってください。 (2022年8月21日 21時) (レス) @page44 id: 5ebe7ae459 (このIDを非表示/違反報告)
reelay(プロフ) - Mimiさん» ありがとうございます！なるべく更新し続けられるように頑張りますね！すー様本当イケメンですよね… (2022年8月21日 16時) (レス) id: afe51dd90d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：reelay | 作成日時：2022年8月16日 13時
