42話 ページ44
廃ビルに戻って来た。
『かなり遅くまで遊びましたが大丈夫でしたか?』
「ん?ああ。ここの呪霊に苦戦してたとでも言えば良いだろ」
「適当な男だな。だから大負けするのだ」
「嘘だろ、俺今あの宿儺にギャンブルの指南されてんのか」
『まあ宿儺は増やしはすれど、減らしはしませんでしたから』
カジノで貰ったアタッシュケースを開ける。
『50で良いですか?』
「あ?少なすぎだろ。元は誰の金だと思ってんだ」
たかが千円だろう。
『まあ良いですよ。100差し上げます。その代わり、また何かあれば教えて下さいね』
呪力を視てもいいが、直接聞いた方が良いこともある。
「あーじゃあ携帯貸せ」
『持ってませんよ』
「はあ?」
『死んだ人間の携帯が使われていたらおかしいでしょう。契約しようにも、身分証明が出来ないので持てません』
そもそも宿儺としか行動しないため、必要も無かったしな。
「面倒くせーな。まあ良いや、お前ら二人分の携帯は用意してやる。その代わりまたあそこに連れてけ」
宿儺の分もやってくれるのか、それはありがたい。
だが、金減らしを連れて行くのはな。
『ありがとうございます。ただ、行きたいのなら自分で賭け金を用意して下さい』
「チッ分かった分かった」
そろそろ時間か。
『それでは、また会いましょう』
「ああ、またな」
先生は外に出て行く。
携帯が用意出来ればまた誘って来るだろう。
「俺たちも帰るか」
『まだ帰らないよ。折角素敵な格好なんだ。少し歩こう』
やって来たのは夜の街、六本木。
一本の大通りを二人並んで歩いて行く。
「ねぇ、あの人カッコ良くない?!」
「本当!顔の刺青もセクシー!」
宿儺の見た目が、歩く人の視線を惹きつける。
見せびらかしたいと思った私の欲求が満たされる。
『宿儺、皆に見られているな。格好良くて色っぽいんだと』
「お前もな」
『え?』
気付かなかった。
宿儺に対する声ばかり聞いていたから。
「色っぽいだの、泣かせたいだの、Aを誰の物だと思っている」
嫉妬か?嬉しいな。
ならこちらから腕を組んでやる。
『恋人アピール、して帰ろう?』
「ああ」
拠点に戻り、着替える。
「待て」
『ん?着替えないのか?』
「ああ。普段の俺と同じ着物も良いが、その姿も好みだ。今日はそのまま抱かせろ」
『それもそうだな。私も、スーツ姿の宿儺に抱かれたいよ』
「言ったな」
翌朝、立てなかった。
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あ - 話進まなさすぎつまらない (3月18日 18時) (レス) id: 464afcc8c4 (このIDを非表示/違反報告)
ななしさん - 初コメなのに質問で申し訳ないのですが、15話で、「相手の術式を成立させないことも出来ます」とありますが、妹ちゃんの術式が成立しないようにすれば、周りの人が魅了されるのを防げたり、魅了を解除出来るのではないのですか? (2022年9月23日 19時) (レス) id: 5ca77bcde2 (このIDを非表示/違反報告)
reelay(プロフ) - ちづっきーさん» すー様は存在がもうイケメンですよね…設定は只々自分の好みをぶち込んだのですが、喜んでもらえて嬉しいです!応えられるよう、頑張りますね! (2022年8月21日 22時) (レス) @page44 id: 2f7f62128e (このIDを非表示/違反報告)
ちづっきー(プロフ) - 宿儺様がイケメンです。この話めっちゃ面白くて好きです。他の小説にはない設定最高です!!更新頑張ってください。 (2022年8月21日 21時) (レス) @page44 id: 5ebe7ae459 (このIDを非表示/違反報告)
reelay(プロフ) - Mimiさん» ありがとうございます!なるべく更新し続けられるように頑張りますね!すー様本当イケメンですよね… (2022年8月21日 16時) (レス) id: afe51dd90d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:reelay | 作成日時:2022年8月16日 13時