愛されキャラの妹がうざかったので呪いの王と呪詛師旅行してみた

12話 ページ14

「作戦会議は終わったか。始めるぞ」


待ってくれ。私の心の準備が。


「よしじゃあ始め」


勢い良く動き出したのは伏黒と虎杖。
予想通り、妹は私とは戦わせず、虎杖を盾にする作戦のようだ。
となると私は伏黒と釘崎が相手か。
私はまだ釘崎に呪いの媒介を掴まれていない。
伏黒が前衛で媒介を取り、釘崎に渡す手筈だろう。
近付けさせる訳にはいかないな。


「来い、玉犬！」


あの時の犬か。
ならまた焼くか。
周囲に無数の火球を発生させ、一斉に放つ。
4月とは比にならないほどの量だ。
周囲の気温が3、4度は上がったんじゃないか？


「クソッ、またこれか！万象！」


象だ。デカい。初めて本物を見たな。
っと、そんなことを言っている場合では無さそうだ。
折角出した火球が全て消されてしまった。


どうしたものか。
手を抜いて負けても良いが、先生に何を言われるか分からないしな。
さっさと終わらせて見学するか。
あの人の戦い方には興味がある。


「なっ！炎の壁？」


高さ3メートルほどの炎の壁を、かなり離れている釘崎と伏黒を囲うように発生させた。
真っ赤に燃える炎のおかげでこちらの姿は見えていないはずだ。
そのまま伏黒に対して圧をかける。


『さっきみたいに象で火を消しても良いけど、その前に炎が釘崎さんを飲み込むよ』


「クソ！」


私に恨みがあるのか知らないが先行し過ぎだ、伏黒。
チームプレイなんだからある程度はカバーし合える距離に居ないと。
さて、身動きの取れない伏黒は放っておいて釘崎の方へ向かう。


「何よこの炎！スケールがデカ過ぎるでしょ！」


そうなのだろうか。
さっきの象の方がインパクトは強いと思うが。


「なっ！いつの…間に…！」


背中側の死角になっている壁を消し、後ろから頭部を殴って気絶させる。
後衛だからといって油断して良い筈が無いんだよ、釘崎。


面倒だし、人質にして降伏させるか。
炎の壁を消し、伏黒に見せつける。


『はい、今釘崎さんは気絶してるけどまだ続ける？』


脅しに軽く炎を出してやる。


「クズらしい戦い方だな」


『そうか？呪霊はこんなものではないだろ？』


「チッ。降参だ」


終わったな。炎を消し、後のことを頼んでおく。


『お疲れさん。一応釘崎さんを保健室に連れて行ってやってくれるか。軽く気絶させただけだが、私に運ばれたくは無いだろうし』


「分かった」


そう言って伏黒と釘崎は保健室に向かって行った。
さて、まだ彼方はやっているだろうか？

13話→←11話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す