鈴の音 Part2

32話 変化 ページ9

近頃の初瀬さん

前と違う

そう感じた

前以上に宮くんにべったりや

うちのことをチラチラ見ながら

そいで、宮くんがうちに絡もうとすると

初瀬さんが倍絡んでくる


侑「なぁA...」

千雅「御門さーーんなぁなぁいつになったらうちも名前で呼んでええのーー！？」


ずーっとこんな感じ

なんなん...？

不愉快なんやけど

うちと宮くんを警戒しとる？

言いたい事あんなら言えばええのに...


帰り道も毎日ベッタリベッタリ×10

スライムか

タコか


貴「...治」

治「...別にええ...慣れたし」


千雅「なぁなぁ宮くん！うち今日宮くん家行ってもええ？？」

侑「ええよー。なあサム」

治「...おん。ええよ」

貴「.....」


治たちと分かれ家に入る

治の気持ちわかっとるのはうちぐらいや

...きっと、辛いんやろなぁ

最近の治は見てられへん


貴「お母ちゃんは...泊まり込みか...」


警察の仕事に復帰したお母ちゃんは家に帰ってくることが少なくなった


貴「...簡単になんか作って...公園いこ」


てことでカレーを作った

...作りすぎた

これは明日の昼ごはんタッパで持ってくコースやな


貴「よしゃ、公園ー！！」

うちはまたボールを持って家を飛び出した


ーーーー

貴「.....え？」


公園の、いつもの場所のベンチに人影

場所変えようかと思ったけど

その姿に見覚えがあった


貴「...治？なにしとん？」

治「...A？」


駆け寄るともたれかかってきた


貴「...治？」

治「腹...へったぁ」


ぐうぅぅ〜っと鳴る治のお腹


貴「えぇ！？なんで...？夜ご飯食べとらんの？てか...制服と荷物...」

治「...家に帰りとうない...ツムがお楽しみ中や」

貴「なっ...」


つまり、うちと分かれたあとからずっとここにおるってこと...？


貴「...うちで良かったら来る？晩飯も朝食もお弁当もついてくるで？...バレー部のみんなと家も近くないやろ。野宿よりはマシやと思うけど...」

治「...ええの？」

貴「ええから、丁度カレー作りすぎてしもてなぁ」

治「...おおきに」


うちは治の手を引いて家に帰った

宮くんと初瀬さんのことを聞いてからツキツキと痛む胸に違和感を覚えながら...

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