鈴の音 Part2

48話 求められること ページ25

貴方Side


助けにきてくれた

まぁ、助けを求めたつもりはないんやけど

今、うちは保健室で侑に手当てされとる

倉庫に連れ込まれて押し倒された時に手のひら擦りむいてしもて

血がでとるから包帯巻かれとる


侑「...他の男にホイホイついて行くな。」

貴「...なんで？」

侑「なんでって、今日みたいなことがあったらどうすんねん」

貴「...」


...別に襲われとった訳やない

むしろ、うちが火をつけた

だって、求められることは気持ちええから

鈴が無くなったときから、うちの愛情に関しての自制心は０に等しい

あの先生のことですら、悪くなかったと思ってしまうんやから


貴「...侑が側にいてくれるんやったら、もうついてかんよ」

侑「あんなぁ...」


ため息をついて手早く治療をしていく侑

その姿は怒っとるように見えた

侑を怒らせて、呆れさせるような、

うちそんな悪いことをしたのか、少し思い出してみた

昼休みに呼び出されて


男『俺、前から御門さんのこと好きやったん』


体育館倉庫の前でされた告白


貴『へぇ』

男『悪い話やないやろ？やから...』


そう言われて連れ込まれた倉庫

押し倒されても、侑の時のような高揚感は無かった

でも、求められることは気持ちが良かった



貴『...好きにしてえぇよ？うちはあんたのこと受け止めたる。殴っても犯してもそれがあんたがうちにくれる愛やんな？』


そう口にして、火をつけた

...うち悪いことしとるやろか

侑もうちの意思関係なく犯しとったくせに


侑「...A？」

貴「...侑なんで怒っとんの？うち悪いことした？」

侑「お前、自分でわかっとらんの...？」

貴「？」


瞬間ベッドに押し倒された


侑「俺以外の奴になんでそう簡単に抱かれようとしてんねん...アホか」


その顔が、苦しそうに見えて


貴「...求められんのは嬉しいけど、うちが抱かれたいと思うんは侑だけやで？」

侑「...は！？」

貴「侑が何に怒っとんのかうちはまだわからん。だってうちは侑にとって都合のいい女やろ？」

侑「...そんな風に思っとったん？」

貴「え、ちゃうの？」

侑「...っ...俺はそんな気持ちでお前抱いとったんちゃうわこのアホっ！！」

貴「...え？」

侑「っ...トイレ行って来る」

貴「え、あ...」


そう言って出ていってしもた

...うちは都合のいい女やなかったんやろか

そう思うと、嬉しくて

ほんのり胸があたたかくなって

...他人から求められることより気持ち良かった

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