鈴の音 Part2

46話 異変 ページ23

侑Side

次の日

いつも通り朝練

...のはずなんやけど

Aの様子がおかしい


貴「...」


髪も縛ってへんし鈴もついとらん

仕事はいつもどおりやけど...


北「時間や、片付け」

部員「うす！」


そうして片付けて教室に行こうとした時やった


貴「あつむ。教室、一緒にいこ？」

侑「...は？え、A？珍しなぁ」


いつもは絶対声もかけてこんのに

しかもシャツの裾をちょんって軽く引っ張って

可愛すぎやろ


貴「たまにはええやろ？な、あつむ」


微笑みながら上目遣いで首を傾げるA

他の女がいつもやっとったけどAがやるとえらい破壊力や...

俺のこと名前で呼ぶんはヤっとる時だけやったし


侑「なに、誘っとんの？」


いつも通りからかうように放った言葉は

意外な答えで返ってきた


貴「...誘う...？...ちゃうよ。侑がうちを抱きたいって心の底から思っとるから...なぁ？」

侑「──っ！？」


瞬間俺はAと距離をとった

やっぱり今日のAはおかしい

俺の心や思考を見透かしたような目

どうすれば男が喜ぶか熟知したような行動


貴「くふ...我慢せんでもええのに...怯えてるん...？愛らしなぁ...」


こいつは誰や

俺の知っとるAやない


侑「...お前、誰や」

貴「.......うちはうちやで。侑」


Aがそう口にした瞬間に予鈴がなる


貴「...残念。時間や。はよ教室行こか」

侑「...」


教室に戻っても

なかなかAのことが頭から離れんかった

いつもなら近づいてくるちぃちゃんも

Aにはまったく近づかんかったし

...怯えとるようやった


千雅「み、宮くん。あんな、ちょっと、話があんのやけど、昼休み音楽室来てくれん？」

侑「...ええよ」


明るさが取得のちぃちゃんの元気がない

こんな危機迫ったような顔で俺んとこ来るのも珍しい

...なんかあるな

とりあえず、昼休みにちぃちゃんにいろいろ聞くか

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