44話 狂者 ページ21
千雅Side
うちが鈴を壊してしもてから
御門さんの様子がおかしい
俯いたまま笑い続ける御門さん
すると唐突に顔をあげた
千雅「...ひっ.....」
思わず漏れた悲鳴
顔をあげた御門さんがとても恐ろしく思えた
目は瞳孔が開き光を失い、表情は口角を上げただけの人形のような笑み
だが月を背に背負うように佇む姿は異様に美しい
千雅「...御門...さん?」
貴「なぁ、うちらほんまによぉ似とるなぁ...」
千雅「...え?」
貴「あんたの胸のうち、当ててあげよかぁ」
うちの頬に手を伸ばし愛しむように撫であげる
貴「愛されたい、同じくらい愛したい、嫌われとおない、みんなに好かれたい、誰でもええからうちを求めて」
千雅「っ!!??」
御門さんから出た言葉は
誰にも言ったことのない本心やった
貴「どぉや?当たっとるやろ...最初からうちはあんたと同じ人種やと思っとったよ?うちもな、必要とされたいねん、欲しがられたいねん。やから、宮くんに求められて幸せやったんよ」
うちも、治くんに求められた時は気持ちよかった
幸せやった
貴「必要とされたい。求められたい。愛されたい。これがうちらの本質。満たしてくれるんなら誰でもええ。」
千雅「そんな...うちは、宮くんがええ、宮くんやないと...」
貴「治に抱かれたくせに?幸せやったんやろ?宮くんやなくてもええやないか」
千雅「ちがうっ!うちは、」
貴「そもそも宮くんのどこを好きになったんやろなぁ?抱いてくれそうだったからやないの?宮くん、優しいもんなぁ」
千雅「っ...やかましい!!」
うちは否定したくて、手を振りあげてしもた
けど
貴「...殴らんの?うちはええよ?それがうちにしたいことやろ?うちは受け止めたる。ほら、うちを殴って、スッキリしぃや?」
なんて
聖女のような優しい笑顔で言う
貴「愛されたいなぁ。千雅。うちが愛してあげよかぁ?ずぅーっと千雅のこと一番に愛してあげる。宮くんより治より、ずぅっと深く。だってうちが1番千雅の事分かるんやから。うちは千雅を認めてあげる」
ぎゅうっと抱きしめられる感覚
そんな甘い囁きに気持ちがぐらつく
御門さんの愛に堕とされる
でも、心地よいからええかも...なんて
その時足下からヂリンと掠れた鈴の音が聴こえた気がした
瞬間、正気を取り戻す
本能的に危険を感じてうちは御門さんを突き飛ばして逃げた
貴「...くふふっ...」
御門さんが楽しそうに笑ってたのを見て見ぬふりして
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うえ - 次の更新がたのしみです。 (2018年2月12日 9時) (レス) id: 4f42ac996d (このIDを非表示/違反報告)
天寿(プロフ) - なっぱこったさん» すみません!!。゚(゚^ω^゚)゚。完全に間違えました直しますっ!!! (2018年1月8日 13時) (レス) id: 674e3d5a1b (このIDを非表示/違反報告)
なっぱこった(プロフ) - 角名くんは標準語を喋ります… (2018年1月8日 8時) (レス) id: fd8eab856f (このIDを非表示/違反報告)
天寿(プロフ) - みやんさん» おめでとうございます!!よろしくお願いします!!頑張りますね!!(´˘`*) (2018年1月1日 18時) (レス) id: 674e3d5a1b (このIDを非表示/違反報告)
みやん(プロフ) - 明けましておめでとうございます!今年も宜しくお願いします!更新楽しみです! (2018年1月1日 0時) (レス) id: 2a01096d22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:天寿 | 作成日時:2017年12月16日 23時