鈴の音 Part2

26話 最近 ページ3

バレー部のマネージャーを始めてはや１ヶ月


仕事にも慣れ、余裕が持てるようになった


角「御門。タオル。」

貴「はい」

侑「Aー俺にもくれやー！」


そう、こいつ

宮侑

最近やけに絡んでくる

借りがあるから下手な真似はできんし...


貴「うっさい。汗だくやのにへばりつかんとって。カップルそろってうっとおしいねん。」


こいつの彼女もうっとおしい

今日なんか教室でずーっと


千雅「なぁなぁ御門さん！お弁当一緒に食べよー！そろそろうちのガラスのハートが割れてまう！」

貴「嫌」

千雅「うわぁぁぁん｡ﾟ(ﾟ´ω`ﾟ)ﾟ｡これでフられたの50回目やで！？なにがいけないん！？うちのなにが！！」


そろそろほんまにめんどくさい


治「御門さん、仕事速くなったなぁ...」

貴「北さん直伝やで。当然や」

北「おん」


これが、うちの居場所

男子バレー部

うちを地獄から救ってくれた

あったかい、うちの好きな場所


北「...御門。なんか嬉しそうやな」

貴「...ここが、好きやから。うち、ここに居れて幸せなんです。」

北「...ほーか」


ーーーー

帰り道は、やっぱり宮ツインズと初瀬さんと帰る

家が、同じ方向なんは仕方ない

前を歩く宮くんと初瀬さんは仲睦まじく毎日手を繋いで帰る

...なぜか後ろを歩く治くんとうちも

まぁ、あぶれもの同士仲良うやっとる

そして、気づいた事がある


貴「...治くん。」

治「...？...なに？」

貴「.......治くん。初瀬さんのこと、好きやろ」


前を歩く2人には聞こえない声量で、言った

少し驚いた顔をした治くん


治「...なしてわかった？」

貴「目を見とればわかるよ...うちと手ぇ繋ぐんも、前の二人見るのが辛いから...やろ？対等でおりたいから？」

治「...はぁー。御門さんにバレるとは思っとらんかったわ。そん通りや。」

貴「うち、マネージャーやで？観察眼は日頃から鍛えとるんよ。せやけどうちは巻き込まんといてな」

治「えー」

貴「人の恋路に足ツッコミとうないからな。どっちに転んでもうちには関係ない」

治「御門さんの中途半端にしないそーゆー所、俺は好きやで」

貴「うちも努力する人は嫌いやないで。Aでええよ。治。」

治「...ははっ...素直に好きって言えばええのに。A」



この日から

治とうちの帰り道がすこし異質なものになった。

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