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43話 破綻 ページ20

その日の部活終わりのこと

うちは、体育館裏に初瀬さんに呼び出された

宮兄弟は先に帰ってもらって


貴「...うちになんか言いたいことでもあるん?」

千雅「...ごめん御門さん...お願いやから、宮くんに近づかんといて...」


瞬間風がそよいだ

鈴が耳元ではっきりと鳴る

まるで、正直になれと言うように


前のうちなら、初瀬さんを優先しとったかもしれん

でも


貴「...嫌や。初瀬さんには悪いけど、うちも宮くん好きやから」

千雅「ーーーっ!!!」


嘘は、つかへんと決めた

鈴の音が、うちに勇気をくれた


貴「...初瀬さん、何となく気づいとるんやろ?うちと宮くんの関係。やから、うちから治を取ろうとしたんやろ?」

千雅「な、なんで...」

貴「気づかんと思った?初瀬さんから治の匂いする。初瀬さんと治がそーゆーことしたっていう、匂い」

千雅「っ!!」

貴「あぁ、きっとうちにもついとるなぁ。宮くんの匂いが、ベッタリ」

千雅「嫌!なんでそんなこというん!?」


...なんで

うちを敵と認識させたいからにきまっとるやろ

うちだって宮くんが好きなんやから


貴「...はっきり言うで。うちは、宮侑が好きや。だから、初瀬さんに言われて関係を切る、なんてしとうない」

千雅「っ!!」

貴「...もうええやろ、うち帰るな」


言いたいことは言ったと踵を返して歩き出す




千雅「ま、待ちぃ!!」


うちを呼び止めようとしたのやろう

やけど

慌てた初瀬さんの手はうちではなく

うちの髪紐を掴んだ

するりと髪がほどける

そして


貴「なっ...」

千雅「あっ」


鈴がか細い音を鳴らして紐から外れ

バキン

と、音をたてて

踏み出した初瀬さんの足によって砕かれた


貴「ぁ...ぅそ...」

千雅「う、うち、そんなつもりじゃ...」


お母ちゃんの形見

うちの持ってる唯一の、お母ちゃんの愛

それが

...壊れてしもた


千雅「ご、ごめん御門さん、うち、ホントに...」

貴「...」


そして、同時に

うちも壊れた

ずっと、うちのそばで、うちを愛してくれていた

お母ちゃんの鈴

これを失くすと

愛に飢えたうちは、うちではなくなる

孤独感、不安、

愛が欲しい、誰でもいい、うちを愛して──...






貴「.....くふ...くふふ...」

千雅「...御門...さん?」



暗い体育館裏

恋に溺れ愛に飢えたうちらを

月明かりが照らした

44話 狂者→←42話 正直に



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うえ - 次の更新がたのしみです。 (2018年2月12日 9時) (レス) id: 4f42ac996d (このIDを非表示/違反報告)
天寿(プロフ) - なっぱこったさん» すみません!!。゚(゚^ω^゚)゚。完全に間違えました直しますっ!!! (2018年1月8日 13時) (レス) id: 674e3d5a1b (このIDを非表示/違反報告)
なっぱこった(プロフ) - 角名くんは標準語を喋ります… (2018年1月8日 8時) (レス) id: fd8eab856f (このIDを非表示/違反報告)
天寿(プロフ) - みやんさん» おめでとうございます!!よろしくお願いします!!頑張りますね!!(´˘`*) (2018年1月1日 18時) (レス) id: 674e3d5a1b (このIDを非表示/違反報告)
みやん(プロフ) - 明けましておめでとうございます!今年も宜しくお願いします!更新楽しみです! (2018年1月1日 0時) (レス) id: 2a01096d22 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:天寿 | 作成日時:2017年12月16日 23時

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