幼馴染みで同僚なだけだから！【降谷零】

初めてのキティ 過去編 ページ12

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ワクワクで幼稚園に入園したのに、全く友達が出来なかった。

部屋に行っても、一緒にお絵描きしたり、折り紙を折ってくれる友達は居ないし、外に行っても一緒に遊ぶ友達は居ない。

だから毎日、独りで砂場で遊んでいた。

『はぁ…』

「どうして独りぼっちなの？」

振り返るとそこには、片手にボールを持った男の子が居た。

『えっと、えっとね…』

「？」

お友達が出来ないから、なんて言えない。

それで下を向いて、ウジウジしていた。

「お友達、居ないの？」

『…うん』

その時、男の子の友達が男の子を呼びに来た。

「おーい、零！早く！」

この男の子、零君って言うんだ。

『お友達、待ってるよ。行っていーよ』

そう言うと、男の子は行ってしまった。

私が行ってって言ったんだから、しょうがないけど、ちょっとだけ寂しかった。

それでまた、お砂をいじくっていた。

「じゃあ僕と友達になろうよ」

顔をあげるとそこには、さっき戻って行ったはずの零君。

『どーして？さっき戻って行ったのに』

「だって一人、寂しいでしょ？じゃあ僕が友達になってあげる」

ちょっと上から目線だったけど、お友達が欲しかったから、凄く嬉しかった。

『良いの？』

すると零君は顔を赤くして、
「君が嫌なら、良いけど…」
と呟いた。

『全然嫌じゃない！ありがとう、れーくん！』

「君の名前は？」

『A…A Aだよ！』

「僕は降谷 零だよ。宜しくね、Aちゃん」

これが私と零の出会いだった。

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