四十三話* ページ44
クリークの一言により失われつつあった雑魚たちの戦意がまた取り戻されたみたい。
あんな性格してるけど一応部下には慕われているんだねぇ。
とどのつまりは圧制者。力による制圧だと思ってるんだけど。そこんとこどうなんだろうねぇ？
「ふんっ！恩を仇で返すような『クズ』なんかに負けないよーだ！ねぇ？ルフィ君！」
「あぁ！俺たちは絶対に負けねぇ！」
こっちも負けじと戦意を高め、パティたちが雑魚を蹴散らす。
料理器具をそうゆう扱いしていいのかは、不問ってことにしておこうか。
「はっはっは〜！お前らさがれ、俺がやる。このパ〜ルさんがなぁ！鉄壁、よって無敵ぃ！」
出た、この妙に間延びした口調のバカ男。そいつにパティたちがやられてしまう。
面倒くさいなー。ささっと倒しちゃおうか、この手の敵には圧倒的に有利だからね私。
「スチーム・ホールド」
胸より下を蒸気化させてパールに抱き着き、高温の蒸気で包み込む。
因みに、今出せる最高温度は100℃オーヴァー。
ほれほれ、死にたくなかったらとっとと海に飛び込みなァ〜〜？
私はヒト殺しになんかなりたくないんだぜ〜？
「熱い！？熱いぞぉ！このぉ！離れろぉ！」
「Aさん！！(クソ…あいつ、抱き着いてもらうなんて……！)」
「くそぉ！このぉ！はぁなぁれぇろぉ！」
むぅ、中々しぶといね。別に体力面的には問題ないけれど、コイツに抱き着いているっていうのは成程、好い気分じゃあない。
よし、吹き飛ばそう。
「そのまま飛んでって！」
私はパ−ルから離れ、顔の前に手をかざし、高速スチームを出しとばす。
「ぐああー！？」
よし狙い通りクリークに向けて一直線！
「フン！」
ゴォン……ッ！
「ゴァァッ…！？」
パール、ファイヤーパールになる前にクリークによりK.O
ほんとにコイツ仲間を躊躇なく殺すな。別に海賊だし？否定はしないけれど……なんていうか、美しい行動じゃないよね。
「残りはそいつだけ！やっちゃえ！ルフィ君！」
「おう！任せろ！」
「チィ！！どいつもこいつもつかえねぇ！！ギン！ゼフの頭をブチ抜け！」
この蒸気の力を持ってなかったとしたら、かなり焦るなー。でもね、この蒸気の前では銃火器はすべてダメになる！！
前のキノコの件と一緒だぁね。
「くそっ！」
「大丈夫！サンジはギンをおさえてて！」
「でもあの野郎銃を！」
私はあの時のように目くばせをする。
「Aさん…！ありがと！！」
んふふー、ちゃんとわかってくれたみたい。サンジがギンを蹴り飛ばしそのまま動きを封じる。
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作者名：シーデン | 作成日時：2017年1月17日 21時
