ダメ女と女子力男子【灰】

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「その感じ、忘れてたんだ？」



おかしそうに肩をすくめたかるてっとさんに頷く。


……本当に忘れてた。



手の中に収まるリボンの巻かれた可愛い箱を見て、もう一度かるてっとさんに視線を上げる。



『これ……………開けても良い？』

「いいよ」



リボンを解いて、ゆっくりフタを開けた。



『…これって、』

　

中に入っていたのは、シンプルなハート型のピアスで。私の誕生日石のタンザナイトが中心にはめられているものだった。



「この前買い物行った時、見てたからさ」



そう。これは一緒にデパートに行った時に私が釘付けになっていたピアスだ。


たくさんのピアスが並ぶ中、このピアスが目に入った。

ハートだけど青色の宝石がついてることで、あっさりとしたデザインに見える。すごく可愛いと思った。



その姿を見ていて、買ってくれたんだと思うと胸がキュッと締め付けられる。



……やばい。嬉しい。



悩んでた私はどこへ行ったんだ…と思うけど、そんなことよりも今はニヤけそうになる口をとどめるので精一杯。



『………ありがとう、めっちゃ嬉しいです、』

「喜んでもらえてよかったです」



小さく笑うかるてっとさんに、なんだか擽ったい気持ちになる。




「……でもなんで、私の誕生日知ってるの？』



…誕生日を言った覚えがない。きっとしるこさんたちも知らないはずなのに。


どうして、かるてっとさんが知ってるんだろう。



「…秘密」

『え、気になるんだけど！』

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