ダメ女と女子力男子【灰】

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「来週から2週間くらい家行けないかも」




お皿を洗いながらかるてっとさんが言う。



『そうなの？仕事？』


「おん。ちょっと忙しいんだよね」


『そっか、体壊さないようにがんばってね』


「Aちゃんも、ちゃんとご飯食えよ」


『………うん、食べるよ？』


「なんだよ、その間は……」



食べると言いつつ、カップ麺ばかり食べてる自分が想像できる。


だってカップ麺ってすごいんだよ3分で完成するの。美味しいし、いろんな味あるし、こんな素晴らしい食べ物ってある？




「あ、アイスあったんだ。食う？」

『食う！』



皿洗いが終わったかるてっとさんがアイスを二つ出した。さすがだ、食後のアイスまで用意してくれるなんて…。



もう私かるてっとさん無しで生きていける気がしないよ。




『かるてっとさんに彼女とかできたら、彼女とも仲良くしないとな』



私がそう言うと、真剣な顔で「その時はお願いだから自立してくれ」と頼まれた。




それは無理じゃない？？






ーーーー「異性として見てみな？」


ふと思い出した木村さんの言葉。




……男として、見る。



ジッとアイスを頬張るかるてっとさんを見る。



「…なに？」


『いや気にしないで』



かるてっとさんはかっこいいし。優しいし。もちろんちゃんと男だって分かってるけど。




………やっぱり、私には分からないや。まともに恋愛もしてこなかったし。



首を傾げるかるてっとさんに「なんでもないよ」と言って私はアイスを一口食べた。



そのあと少しだけゴロゴロしてから、私も朝から仕事だからと早めに自分の部屋に戻った。

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