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『…じらいちゃん、何で泣くの』



くす、と笑ったAちゃんに「ごめんっ、」とパーカーの裾で溢れ続ける涙を拭き取る。


あれ、俺ってこんなに泣き虫だったっけ…。




『……みんなは私にとって大切な人になっちゃったから、クロウと関わらせたくなかった。あいつらは平気で人を殺すから。まるでおもちゃを壊すみたいに、殺すから。』



唇を噛み締めるAちゃん。



『もうこれ以上大切な人が居なくなるのが嫌だった。だから、かるてっとさんの口から両親のことが出てきた時………すごく怖くなったの。このままじゃ関わらせてしまうって。………私のせいで危険な目に遭わせるくらいなら、離れればいいって思った。みんなの前から消えて、全て無かったことにしようって』




ーーーだけど、離れることも辛かった。


そう言ったAちゃんの目はうるうると揺れた。




『一緒に居ても辛い。離れるのも辛い。どうしたらいいんだろうって………』

し「離れなくていい。」

『しるこさん、』




いつの間にかAちゃんの前に来ていたしるこさんが、目線を合わすように座り込んだ。


しるこさんは、俺が握ってる手と反対の手をぎゅっと握った。



し「離れなくていいんだよ。俺らとずっと一緒にいて。……俺が一緒にいてほしいから一緒にいて!!!!その後のことは後で考えよ!だから一緒にいて!!」




子供のように「一緒にいて!」を連発するしるこさんにみんなポカン、と一瞬固まった。



か「………急にわがままボーイ出てきたんだけど」



それに突っ込んだかるてっとさんの表情は優しいものだった。



………あぁ、そうか。ごちゃごちゃ考えなくてもいいんだ。俺たちはAちゃんと一緒にいたい。…それだけでいいだろ。



暗かった雰囲気が一気に和らいだ。



…さすが、しるこさん。こういうとき、しるこさんがリーダーでよかったって思う。



Aちゃんも驚いたって顔をしてたけど、「ぷっ、はは!!」と声を出して笑いはじめた。



次は俺たちが驚いてAちゃんを見る。



………声を上げて笑ってるところ、初めて見たかもしれない。

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おゆき(プロフ) - meさん» ただいまです!お待たせしてしまってすいませんでした。ありがとうございます!また少しずつ更新していくので、見ていただけると嬉しいです! (2021年5月18日 18時) (レス) id: 1843c20691 (このIDを非表示/違反報告)
me(プロフ) - おかえりなさい。また公開してもらえて本当に嬉しいです。無理だけはしないでくださいね! (2021年5月18日 12時) (レス) id: 47178bfabc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おゆき | 作成日時:2020年11月13日 14時

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