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一緒に ページ35

じらいちゃんside



Aちゃんの話は、俺が思ってたよりも遥かに辛いものだった。





両親を殺された。それだけでもとんでもない話なのに、



自分を庇って死んでいく父と母を見ていた、なんて。





………こんなに辛いことを誰にも頼らず、ずっと1人で抱えていたの?


ずっと自分のせいで親が殺されたと思って生きてきたの?


ただ男を殺すことを考えて、今まで頑張ってたの?






………こんなに、苦しいことってある?




俺たちが言葉を失ってる間もAちゃんは、泣きも笑いもせず話を続ける。


だけど膝に置かれた手は微かに震えていた。俺はその手を握った。



Aちゃんは俺に小さく微笑んで、また口を開いた。




「目が覚めた時には私はボスの屋敷にいた。……私と弟はボス達に助けられた。……それから私は強くなるためにボスに鍛えてもらったの。毎日毎日近接戦闘や銃の使い方まで。あの男を殺すことだけを考えて鍛え続けた」



静かなリビングにAちゃんの声だけが通る。


誰も口を挟まず彼女の話に耳を傾けた。




「そして1年前、ボスからBinTRoLLに入るように言われたの。 ……正直、はじめは嫌だった。他人に興味なんてなかったし、自分のしたいことしか見えてなかったから。なんでこの人たちと力を合わせないといけないんだろうとか。この人たちが怪我をしても私には関係ないとか思ってた。…………最低でしょ?」




Aちゃんの言葉に、俺たちはみんな首を振ることしかできなかった。


だって、それだけ辛かったってことでしょ。他のことを気にする余裕がないくらい辛かったんだろ。




聞いてるだけで、胸が張り裂けそう。泣いちゃいけないって分かってても涙が出そうだ。




Aちゃんが泣いてないのに、俺が泣くわけにはいかない。そう我慢してたのに、




「私はボスと暮らしていた2年間はずっと両親のことに囚われて、笑ったり泣いたりすることも、まともにご飯を食べることも出来くなってた。」



確かに出会った頃のAちゃんは異常に細かった。顔色も悪くて、いつ倒れても可笑しくない状態だった。



「だけど、みんなと過ごしていく内に私は変わっていった。また、笑えるようになった。ご飯も美味しいって思えるようになった。……気づいたときには大切だって……みんなのことが大好きだなって思うようになってたの」




あぁ、こんなこと言われたら我慢できるわけない。

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おゆき(プロフ) - meさん» ただいまです!お待たせしてしまってすいませんでした。ありがとうございます!また少しずつ更新していくので、見ていただけると嬉しいです! (2021年5月18日 18時) (レス) id: 1843c20691 (このIDを非表示/違反報告)
me(プロフ) - おかえりなさい。また公開してもらえて本当に嬉しいです。無理だけはしないでくださいね! (2021年5月18日 12時) (レス) id: 47178bfabc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おゆき | 作成日時:2020年11月13日 14時

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