▲ ページ30
『この怪我は、私の責任だ。しるこさんたちのせいじゃない。』
だから、そんな顔しないで。
私はね、
『…しるこさんたちが、助けに来てくれて嬉しかった』
あの時、やっぱりBinTRoLLが大好きだって思った。
『この怪我は私が弱かったのが原因。だからさ…………また特訓付き合ってほしい、』
私の言葉にまた、二人は驚いていた。
……顔を見て自分の気持ちを伝えるって、凄く怖いんだ。
私なんかが、とか。断られたら、とか。いろいろ考えてしまって、吐きそうだ。
でも、みんさんが私のために変わると言ってくれた。だったら私も。
私も……変わらないと。
『あの、みんなに話がーーーー』
私が口を開いてすぐ、ガシャン!と凄い音を立てて扉が開いた。
い「A!!!」
『いちは、……ゔっ、』
部屋に入ってきたいちはちさんは勢いのまま私に抱きついてきた。
全身の痛みに耐えながら、腕を回して抱きしめ返す。
し「ちょ!こら、いちはち!!!」
は「A、怪我してます!!」
い「あっ、そうだった…!ごめん!!!」
焦って離れようとしたいちはちさんの体をぎゅっと抱きしめた。……腕もめっちゃくちゃ痛い。でも離れないで欲しいと思ったから。
『いちはちさん…ごめんなさい、』
い「…………ほんとだよ、」
いちはちさんの切ない声。
声だけでも心配をかけたことが分かる。私はもう一度『ごめんね』と謝った。
し「えぇ!!!ずるい!!俺もー!!!」
い「ちょ、しるこちゃん!苦しいってー!」
それからしばらく何も言わず抱きしめ合ってると、いちはちさんと私を包むように、しるこさんが抱きついてきた。
それを優しい笑顔で見てるはこたろーさん。
暖かくて、心地いい。
ーーーーあぁ、ここが私の居場所なんだ。
もう嘘をつくのはやめよう。
偽るのもやめよう。
『……じらいちゃんたちを、ここに呼んでほしい』
私はいちはちさんとしるこさんからそっと離れる。
不思議そうに私を見る3人に、笑いかける。
ーー私を受け入れてくれたみんなに、ちゃんと話そう。
私の全てを、
『みんなに話しておきたいことがあるの、』
あの日のことも、ぜんぶ。
・
・
・
・
・
私はみんなが部屋に集まったくれたのを確認して口を開いた。
『3年前、私はクロウに誘拐されたの』
133人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
おゆき(プロフ) - meさん» ただいまです!お待たせしてしまってすいませんでした。ありがとうございます!また少しずつ更新していくので、見ていただけると嬉しいです! (2021年5月18日 18時) (レス) id: 1843c20691 (このIDを非表示/違反報告)
me(プロフ) - おかえりなさい。また公開してもらえて本当に嬉しいです。無理だけはしないでくださいね! (2021年5月18日 12時) (レス) id: 47178bfabc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:おゆき | 作成日時:2020年11月13日 14時