▲ ページ21
かるてっとside
グシャリ、地面を踏む音とドスの効いた声にハッとする。
……まあ、現実はそう甘くないよな。
ーーーー『ありがとぉ、』
そう言って笑ったA。
数ヶ月ぶりに見た素直な笑顔をゆっくり見る時間すら与えてくれない。
このままの良い雰囲気で帰れたら最高だったけど。
「なんか寒い会話が始まったから、ドラマ感覚で見てりゃー気持ち悪い言葉ばっか並べやがって。虫唾が走るわ」
苛立ったように、俺たちを見る男。
か「そんな事言いながらも、最後まで大人しく待っててくれたのかよ。律儀だな」
「あぁ、喜びの時間の直後に、ぐちゃぐちゃに壊してやろうと思ってなー」
その方がお前らの歪んだ顔が見れるだろ？とニタリ笑う。
……分かってたけど思った以上に性格腐ってんな、こいつ。
じ「Aちゃんとかるてっとさんの顔の傷の分は、俺が絶対にお前に返してやる」
「やれるものならやってみろ」
そう言いながら、男が俺たちに向かって突っ込んできた。
思ってた以上のスピードで、慌てて交わす。
……やっべ、来ると分かっていても避けるので精一杯だ。
じ「かるてっとさん大丈夫？！」
か「大丈夫！ギリギリだったけどな」
じ「俺もだよ。…体がでかい分、リーチが長いから気をつけて」
か「羨ましいな！！」
じ「え、そこなの？！」
そこだろ！
リーチも長いし、なんたってスピードが異常に速い。羨ましいことだ。
ここにいるメンバーは近接戦闘には強い。対人戦なら負けたことがない。
それでもみんな気づいてる。………こいつはやばい。
し「…A？A！」
か「どうした…？！」
振り返るとしるこさんに抱かれたAが短く浅い息をしていて。
じ「っ、ゆっくりしてる時間はないね」
か「……だな、さっさと片付けるぞ」
い《周辺に人影なし。ビルにいるのはその男だけだ。》
か「了解」
ナイスタイミングだよ、いちはちさん。
心の中でいちはちさんに親指を立てておく。
か「……しるこさん。あいつ足止めするからA連れてここを出てください」
し「え。でも、」
じ「俺らだけでやれるよ！それよりも早くAちゃんを病院に」
し「わ、かった…」
心配そうに頷く、しるこさん。
…大丈夫だって。俺ら結構強いから。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 133人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
おゆき(プロフ) - meさん» ただいまです！お待たせしてしまってすいませんでした。ありがとうございます！また少しずつ更新していくので、見ていただけると嬉しいです！ (2021年5月18日 18時) (
レス) id: 1843c20691 (このIDを非表示/違反報告)
me(プロフ) - おかえりなさい。また公開してもらえて本当に嬉しいです。無理だけはしないでくださいね！ (2021年5月18日 12時) (レス) id: 47178bfabc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おゆき | 作成日時：2020年11月13日 14時
