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『私はここを出た人間だよ。それにお嬢様って柄じゃないし、』
加「A様はどこに行こうがお嬢様ですから。………それに、これは僕がしたくてしてることなので」
『…………あっそ、』
ニコニコしてる加藤くんの横を通りすぎて門を潜る。
昔ながらの古風な建物。門から玄関まで見てるだけで疲れるくらい遠い。とにかく広い屋敷。
庭には大きな池があり、その中で鯉が数匹泳いでいた。
今ではボスと加藤くんしか住んでいないこの屋敷。
私はこの仕事を始めるまで、ここに住んでいた。
家族を失い独りになった私を、養子として引き取ってくれた人がーーーボスである、長谷川 帝(はせがわ みかど)。
そして長谷川 A。これが今の私の名前。
空っぽになった私にBinTRoLLという居場所を作ってくれた。私がこうやって生きてられるのはボスがいたから。感謝しても仕切れない。
加藤くんもずっと私を気にかけてくれた。ドジでどうしようもない時も多いけど、優しくて気が効く人。普段は冷たくしちゃうけど加藤くんにもすごく感謝してる。
屋敷の中で最も大きく立派な部屋の襖の前で正座をする。
『ボス、Aです』
ボス「ああ、入りなさい」
『失礼します』
返事と共に襖を開けた。
部屋の中央に座る体格の良い男。この人がボスであり、私のお父さん。見た目は怖いけど情に厚く、優しい人だ。
帝「久しぶりだな……………………A、お前また無理をしているな？」
『………そんなことは、ないです』
私の顔を見るなり、ボスの表情は一瞬で険しいものに変わった。
昔から私の体調や感情の変化にすぐに気づくボスに嘘は通用しないって分かってる。
それでも、私はいつも嘘をついてしまう。心配をかけないように。
私の目の下に出来たクマは日に日に濃くなってる。化粧で誤魔化していたけど、それでも隠し切れないほど今の私の顔はかなり酷い状態だ。
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おゆき(プロフ) - meさん» ただいまです！お待たせしてしまってすいませんでした。ありがとうございます！また少しずつ更新していくので、見ていただけると嬉しいです！ (2021年5月18日 18時) (
レス) id: 1843c20691 (このIDを非表示/違反報告)
me(プロフ) - おかえりなさい。また公開してもらえて本当に嬉しいです。無理だけはしないでくださいね！ (2021年5月18日 12時) (レス) id: 47178bfabc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おゆき | 作成日時：2020年11月13日 14時
