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夜ご飯を作る時間になり、部屋に呼びに行くとAちゃんは数時間前までの弱々しい姿を全く感じさせないほど、いつも通りだった。
『あ！！いったぁ……指切った……』
じ「え！包丁使わなくていいって言ったじゃん！」
『ちょっとでも手伝おうと思って…………』
じ「気持ちは嬉しいけど………うわぁ、痛そう…。かるてっとさーーん！ちょっとAちゃんの手当てしてあげて！」
血が出てるAちゃんの指。傷口を触らないように手を掴んだまま、ソファーで雑誌を読んでるかるてっとさんに声をかける。
か「んー？なに、怪我でもした？」
『指切った』
か「はあ？うわ、結構深いだろそれ…ちょっとこっち来て」
『はーい…』
かるてっとさんに手を引かれるAちゃん。それを見てから、俺は夜ご飯の支度を再開した。
キャベツを切りながら考える。
両親を殺される……突然居なくなる。
その当時今よりもっと若かった彼女にとってそれはどんなに辛いことか…。
自分の家族が殺されるなんて………俺には想像もつかない。
Aちゃんが弱音を吐いてるところを見たことがないし、本当にいつも笑ってた。
かなり無理してたのかな。辛いことも笑って誤魔化してたのかな。
あの小さい体で全部受け止めてたのか……。もう1年は一緒にいるのに彼女のこと全く分かってなかった。
それでもAちゃんが隠したい過去なら無理に聞こうとも思わない。
か「包丁使うときは気を付けろって言ったじゃん」
『気をつけたし、』
か「気をつけてる奴はこんな切り方しねぇから！」
『かるてっとさんうざい〜母さんかよ〜』
か「うざいはやめろ？(笑)」
『うざいうざい〜』
ふざけて笑うその笑顔が作り物じゃないと信じたい。過去がどんなに辛くても俺らがいるときは心から笑っててほしい。
もしAちゃんが辛いって、助けてって、言ってくれるときが来たらそのときは全力で助けよう。
寂しいなら、抱きしめてあげよう。
だけどそれまでAちゃんがずっと笑ってるなら、俺も一緒に笑おう。
ーーーーー俺はそう心に決めて、Aちゃんの過去の話を心の奥底にしまった。
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ゆうきん(プロフ) - 狼谷さん» いつも読んでくださりありがとうございます。リクエストもありがとうございます。参考にさせていただきます！ (2021年1月2日 17時) (
レス) id: 1843c20691 (このIDを非表示/違反報告)
狼谷 - はじめまして！いつ者です読んでいますめちゃくち大好きです！リクエストなのですがしるこさんと一緒に恋人の振りをして浮気調査するのはどうでしょうか？これからも応援しています！ (2020年12月13日 23時) (レス) id: 3f56a3b857 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうきん(プロフ) - すずらんさん» ありがとうございます…！嬉しいです。徐々に恋愛の方にも寄せて行こうかなと思っています。 (2020年8月24日 12時) (レス) id: 1843c20691 (このIDを非表示/違反報告)
すずらん - このお話大好きです！恋愛方面にも期待しちゃっていいですか？ (2020年8月23日 21時) (レス) id: 930f05f5ac (このIDを非表示/違反報告)
ゆうきん(プロフ) - あめさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます…！！マイペース更新ですが頑張ります！ (2020年8月23日 14時) (レス) id: 1843c20691 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おゆき | 作成日時：2020年8月13日 10時
