USBを取り返せ ページ12
『は?スられたの?』
「はい………」
私の目の前で正座をする若い男は、「本当にすみません…」とおでこを床に擦り付けた。
彼はボスのお世話係をしている、加藤くん。ボスの身の回りのお世話、そしてボスからの仕事を私たちに伝達してくれるのも加藤くん。
そんな彼は少しドジなところがあり、ボスも手を焼いている。昨日なんて、ボスのお気に入りのスーツにコーヒーを溢して怒られていた。
そして今日は……ここに来るまでにクラッチバッグを盗まれたらしい。そしてその中には大事な仕事の資料が記録されたUSBが入っていたという。
『なんで手で持っててスられることがあるの?何してたの?ボーッとしてたの?馬鹿なの?』
み「まぁまぁまぁ。その辺でやめてあげなよ(笑)」
し「加藤くんもわざとスられたわけじゃないでしょ〜」
『わざとだったら蹴り飛ばしてたわ』
加藤くんに質問攻めをしてると、みんべんさんとしるこさんが私を宥めてくる。
『何回目なの?この前も財布落として探してあげたところだよね???』
加藤「はい………もう…本当、すみません……」
し「普通の人間があのUSBのロックを解除できるとは思えないけど………万が一データを見られるとさすがにまずいよねぇ」
み「そうだねぇ。…あ、いちはちくんからLINEきたよ。……お。スリの犯人の住処見つけたんだって。」
『早いね。さすが〜』
み「あと、これから侵入するからもう1人来てほしいって。どうする?俺無理やで〜これから別の仕事だから」
し「俺もじらいちゃんとかるてっちーと別の仕事あるよ?」
『………嫌な予感しかしないんだけど』
3人が私を見てくる。
………確かに私は今日1日オフだ。予定も特に何もないし。
だからと言ってなんで私が行かなきゃ行けないんだ。面倒くさい。
『………はこた、」
は「僕は今日夜ご飯担当だから無理だよ」
「はこたろーさんは?」と言おうとした私の言葉に被せて言ってきたのは、はこたろーさん本人。
ひょこっとキッチンから顔を出したはこたろーさんが私に微笑む。その表情から「お前が行け」そう思ってることがヒシヒシと伝わってきた。
『はぁーー、わかったよ。行けばいいんでしょ行けば!」
私は渋々いちはちさんから指示された場所へ向かった。
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ゆうきん(プロフ) - 狼谷さん» いつも読んでくださりありがとうございます。リクエストもありがとうございます。参考にさせていただきます! (2021年1月2日 17時) (レス) id: 1843c20691 (このIDを非表示/違反報告)
狼谷 - はじめまして!いつ者です読んでいますめちゃくち大好きです!リクエストなのですがしるこさんと一緒に恋人の振りをして浮気調査するのはどうでしょうか?これからも応援しています! (2020年12月13日 23時) (レス) id: 3f56a3b857 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうきん(プロフ) - すずらんさん» ありがとうございます…!嬉しいです。徐々に恋愛の方にも寄せて行こうかなと思っています。 (2020年8月24日 12時) (レス) id: 1843c20691 (このIDを非表示/違反報告)
すずらん - このお話大好きです!恋愛方面にも期待しちゃっていいですか? (2020年8月23日 21時) (レス) id: 930f05f5ac (このIDを非表示/違反報告)
ゆうきん(プロフ) - あめさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます…!!マイペース更新ですが頑張ります! (2020年8月23日 14時) (レス) id: 1843c20691 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おゆき | 作成日時:2020年8月13日 10時