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二「だって実物の方がかっこいいもん。会わせたら俺のファンじゃなくなりそう」
何かと思えば
突然こんなことを言い出すニカちゃん。
可愛くてつい笑ってしまった。
二「今バカにした」
『ちがっ、違うよ？・・ふふっ』
二「笑ってんじゃん」
『まさかそんなこと言われるとは思わなかったから』
二「俺今日ホテルじゃなくてAちゃんち行きたい・・」
『え？！』
またまた突然の言葉にドキッとする。
だって、家に来たいって・・・
そういうことだよね？
あれ？でも付き合ってるからいいの？
・・・いや、待って。
お互い好きとは言ったけど、付き合っては、ない・・・？
そもそも付き合ったとしても遠距離確定だし・・
まさかこんな展開になるなんて思っていなかったから
万が一付き合った後のことなんて考えてもなかった。
それどころか自分たちの関係がどうなっているのかもわからない。
二「だって、ファンなら俺のグッズあるってことでしょ？他のメンバーよりどれだけ多いかチェックしたくなるじゃん！」
あぁ、そういうことか・・
何考えてんだ私。
恥ずかしいよ・・
『そもそも山ほどグッズがあるわけでもないから、来ても面白くはないと思うよ？』
二「そーなの？」
『うーん・・。全体２割わっくん２割ニカちゃん６割ってとこ？』
二「・・・うん、まぁそのくらいならいいか。まだ俺が勝ってる」
『あはは、ほんとに全然勝ってるのに』
いろいろとまだ気になる点はあるけど
ホテルまでの帰り道はとても楽しかった。
いつもならうっとうしく感じる雨さえも
きらきらと輝いて見える。
それからまた何気ない平凡な会話をしていると
あっという間にホテルに着いた。
もちろん、ずぶ濡れの私たちを見たホテルマンには
かなり驚かれて心配もされた。
タオルを手渡され、軽く拭いてから
ニカちゃんに顔を向ける。
『じゃぁ、私はここで』
二「え、本気で言ってる？」
『うん。早く帰って着替えたいし、ニカちゃんも早く着替えなきゃ。あと本当に誰かに見られたらまずいよ』
二「どうやって帰るつもり？」
『だから、タクシーで』
二「そんな濡れた服で乗るの？やばくない？」
そう。
いくらタオルで拭いたからと言って
着ていた服を乾かすなんてことはできていない。
でも帰らないと本当にまずい。
お金持ちならここに泊まってしまい服を乾かすという手もあるけど、あいにく私は一般人。
高級ホテルに思い付きで泊まれるほど稼いではいない。
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作者名：めいめみ | 作成日時：2017年9月15日 11時
