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『私・・・?』
二「素っ気ないっていうか、すごい業務的だったし。・・・なんか俺のこととかもうどうでもいいのかなって」
『仕事中だったから、私から話しかけるのはナシかなって・・』
二「それに、ほら。なんかずっと敬語じゃん・・」
『だって仕事だからっ・・!』
二「今も?今も仕事中なの?」
『えと、・・・分かんない」
二「・・・ねぇ、ちょっと外歩かない?」
『え?』
二「ここ戻る途中思ったんだけど、この辺夜になると人通り少ないじゃん?気分転換に歩くにはちょうどいいかなぁって」
『あ・・じゃぁ、はい』
確かにこの辺りは外灯は等間隔であるものの、
人や車の通りは夜になるとほとんどない。
ちょっと奥に入ったリゾート地だからだろう。
でも、だからと言ってこんなに堂々とニカちゃんと歩いていていいのだろうか?
すごく不安になる。
ニカちゃんの後を追うように外に出ると、
ひんやりとした空気に包まれた。
思わず「寒っ」と声が漏れてしまう。
二「大丈夫?」
『はい』
二「・・なんでまだ敬語なの?俺と遊んだ記憶全部捨ててきた?」
『やっ、まさかっ。・・・なんか、まだ慣れなくて』
二「ふーん」
『・・・』
緊張する。
ほんとこの一言でしかない。
でもなにか言わなきゃ・・!
『あの・・・元気でしたか?』
二「ぶはっ、ちょ、なにその質問。くくっ」
『え、え?』
私そんなに変なこと言ったかな?
二「このタイミングでそれはないって・・くくっ」
『あ、ごめんなさい・・』
二「はぁ・・・元気だった!見ての通り健康です!Aちゃんは?」
吸い込まれそうなくらい優しい目をしたニカちゃんの顔。
ドキドキする。
でもこの感情を知られたくなくて、
目を逸らして「見ての通り元気です」とだけ答えた。
決して少なくはない沈黙の時間。
むしろ会話が途切れることの方が多いかもしれない。
だけど、今はそれも心地よい。
きっと隣にニカちゃんがいるからだ。
二「あ、雨降ってきた・・」
『ほんとだ。あっ、傘!折りたたみ傘しかないけど、これ使ってください!』
二「何言ってんの?俺はいいからAちゃん使いな?」
『いやいやいや、それはダメっ。体調悪くなったら仕事に支障が、』
二「だからって俺が、はい分かりました。って言うと思う?」
『・・・使ってくれないとこの傘の行き場がないんですけど』
二「だからAちゃん使ってって言ってんじゃん」
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作者名:めいめみ | 作成日時:2017年9月15日 11時