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主任の車を見送った後は、
言われたとおりにフロントへ向かった。
自分の名前を出すとメモのようなものを確認したフロント係の人に
「北山様ですね。承っております。北山様はまだお戻りになっておりませんので申し訳ありませんがもうしばらくロビーでお待ちください」と告げられた。
待っている間にコーヒーと焼き菓子を出されたはいいけど、
正直これだけでは足りない。
今日は昼ご飯を食べる時間もなかったのでお腹がペコペコだった。
まだかな・・
っていうか、ほんとに私何したんだろ。
空腹を紛らわすためにコーヒーのおかわりを貰って、
時間を潰すためにネットサーフィンをしていると、
自分の前に人の気配を感じた。
顔を上げると、
そこにはニカちゃんがいた。
え・・
先に言葉を発したのはニカちゃんだった。
二「な、んでここに・・いるの？」
『えっ、あ・・なんかスタッフさんに呼び出されて。でも来たら北山さんが来るまでお待ちくださいって・・』
二「ミツ？」
『はい。あのっ、いつ頃戻ってくるかとか・・分かりますか？』
二「え、でもあいつはまだ・・・・・。うわ、そういうことか。やられた」
『え？』
二「いや・・・ごめん。たぶんミツ来ないと思う。ちょっと電話してくるね」
『あ、』
１人で納得したニカちゃんは
さっさとホテルの外に出てしまい、電話をしている。
目の前にニカちゃんがいる。
話しかけるなら今しかない。
むしろ今は絶好のチャンスだ。
だけどなんて切り出す？
覚えてなかったら？
もし覚えてたとしても
その先になにがあるというのだろうか。
ずっと会いたかったです。なんて、
言えるわけがない。
たった２日間で１人の男性として好きになってしまいました。なんて、
言ってどうするんだろう。
大きな窓の向こう側に見えるニカちゃん。
今日１日中近くにいれたというのに、彼をちゃんと見ることができなかった。
今、やっと彼の姿をしっかりと見ることができて改めて思う。
あぁ、やっぱりかっこいいな。
もう１回、「Aちゃん」って呼ばれたかったな。
ネガティブな方に気持ちが傾いて行く。
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作者名：めいめみ | 作成日時：2017年9月15日 11時
