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〜二階堂side〜
『・・失礼します。宜しければどうぞ』
北「ありがとうございまーす」
二「ありがとう、ございます・・」
応接室みたいなところに通されて椅子に座って待っていると
Aちゃんがお茶を持ってやってきた。
自分の前に置かれていくお茶を見ながら、ちらちらとAちゃんの横顔を見つめる。
だけどAちゃんは一切こちらを見ない。
お茶を置く手は、心なしか震えているようにも見えた。
話しかけたくても、応接間には俺ら以外にたくさんの人がいる。
迂闊なことは言えない。
『あの・・』
Aちゃんの声に顔を勢いよくあげると、やっと目があった。
でもそれもほんの一瞬。
一瞬目があって、すぐに逸らされた。
『今日、案内などを担当させていただきます平山です。なにかありましたら遠慮なくお声かけください』
彼女の口から出たのは、すごく他人行儀な挨拶だった。
もしかして、Aちゃん俺と遊んだこと忘れてる?
いやいや、そんなわけない。だってまだほんの2か月前・・・
いや、Aちゃんにとっては2か月も前の話なのかもしれない・・・。
いや、今は仕事中だからかもしれない。
・・・なんかもう分かんねぇや。
北「よろしくお願いします。えっと、平山さん?」
『あ、はい。なんでしょうか?』
北「平山さん、若いですよね?それなのにこんなプロジェクトに関わっててすごいなーって」
『あ、いえ・・・あの、すみません。実は私、今日はヘルプで来てて・・・。なので全然私は・・』
北「あー、そうなんだー。いやぁ、それじゃぁ・・こうやってお会いできたのは、何かの縁かもしれませんねぇ」
『・・え、あ・・。ですね。私も、まさかお二人にお目にかかれるなんて思っていなかったので・・』
ミツがさりげなくAちゃんに話しかける。
他の人が聞いても世間話にしか聞こえないような、当たり障りのない会話。
でも、俺には分るよ。
俺の為でしょ?
Aちゃんは、ミツが2か月前のこと知ってるなんて思ってないだろうから、
俺の代わりにAちゃんからいろんなこと聞き出そうとしてる。
北「ほんとは今日お休みの日なんですよね?それなのにヘルプで呼ばれて・・・恋人とデートとか予定があったんじゃないですか?」
『あぁ・・、残念ながらそういう人はいないので』
北「えー?!まじで?!美人さんだから、てっきり相手がいるのかと思いましたよ」
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作者名:めいめみ | 作成日時:2017年9月15日 11時