キミとのキセキ【green】 (ページ11)

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朝、目が覚めたのは７時。
ベッドの中でスマホをいじる。

まだボーっとする頭に浮かんだのは、昨夜のこと。

昨日のって・・・夢？
夢じゃ、ないよね・・？

目を閉じると確かに思い出すニカちゃんの顔。
話した内容。
ニカちゃんの香水の匂い。
千賀君の車の中のいい匂い。

私、ほんとに千賀君とニカちゃんに遭遇したんだ・・・！

でも思い出に浸るよりの先に、不安がこみ上げてきた。

誰かに見られてない？

慌ててネットをひらいて検索をかけまくる。

よかった・・・
誰も昨日のこと書いてる人はいないっぽい。
・・・っていうか、あれ？昨日のあれは本気なのかな？

【昨日のあれ】とは、ニカちゃんも一緒にディズニーランドに行くと行っていたこと。
お酒が入っていたし、ましてや相手は芸能人なわけだし
冗談というかノリで言っていただけなのかもしれない。

でも。

１パーセントも期待していないわけではない。
もしかしたら、もしかしたら本当に来てくれるのかもしれない。
もちろんガッカリするのは承知の上。
どちらかと言えばがっかりする結末になる可能性の方が高いだろう。

それでもやっぱり９時にホテルの前に立てるように、
はやる気持ちを抑えて支度を始めた。

念のため、電車の時間とタクシーの料金も調べて
後にもう一度鏡で全身をチェックして部屋を出たのが８時４０分。

早すぎたかも、と思いながらも
早歩きでロビーのあとにする。

もしも、もしも本当に迎えに来てくれたときに
ニカちゃんがわかりやすいような位置に立って、
ふぅ、と一息ついて空を見上げた。

綺麗な青空が広がっている。
夏みたいに眩しい明るさじゃなくて、澄んだ明るさ。
今日は行楽日和だ、と思える天気だった。

『・・・・っ！』

少し離れたところに停まった１台の車。
運転席に乗っている人はサングラスをかけていて、
気のせいかもしれないけどこちらを見ている気がする。

周りに人がいないことを確認したのか
その人が車から降りて近づいてくる。

少しずつ近くなるその距離に
私の鼓動も速くなる。

どうしよう。
ほんとにほんとに、また会えた・・・っ！