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酔特急 7号車の場合 ページ12

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「もしもし、」
『…どなたでしょうか?』

数ヶ月ぶりの番号から突然掛かってきた電話は表示された名前とは違う声で、私の問いかけに「太陽の友達です」とだけ返した。

「太陽くんと飲んでたんですけど、ちょっと悪酔いしたみたいで動けないんです」

迎え来れたりしませんか?と続けて話す友達の後ろで、「来んでええよ」と投げやりに叫んでいる彼の声。
そうは言っても帰って来られないとなると大変だし…と、彼の飲んでいるお店の住所を聞いて足早に向かう。

彼と友達の居るお店の一室に着くと、テーブルの奥で横になっていた彼と目が合った。
安心して溜め息を漏らしていた所に「突然電話してすいませんでした」と被っていた帽子を取って会釈する友達。その顔に既視感を覚えながらも『ご迷惑おかけしました』と返して彼の身体を起こそうと屈む。


「なんで来たん…」
『当然だよ。帰ろう?』
「…帰るけど」

不機嫌そうな彼の手を握り引っ張り起こして、もう一度友達の方に会釈してお店を出た。


「あのな…、」

自宅に着いてすぐベッドに寝かせると、額に手を当てたまま目を伏せた彼が呟いた。

「みんな彼女の話してんのに、俺だけ入っていかれへんくて。会いたいけど、AもAで仕事やし…わがまま言われへんやんか」

考えてたらしんどくなって、そう続けたところで彼の頭を撫でる。会えなくて寂しい思いをしてたのは自分だけじゃない事が分かって、少しだけ口元が緩んでしまった。

「何でにやにやしてん、」

訝しげにこちらを見る彼に『いや、なんか可愛いなって』 なんて笑って返していると、唐突に「あ、」と思い出したように呟いた。

「うわー… 会わせたくなかった…」
『友達?』
「格好良かった?」

そう聞かれて顔を思い出そうとしていると、「…やっぱええわ。」と私の手を取る。

「あの人、変な意味違うねんけど、俺の大好きな人でな、…格好ええから、Aが好きになったらどないしよって」

と、掴んでいた手を引いて自分の腕の中へと引き込んだ。少しだけ早い彼の鼓動と熱を持った息をすぐそばに感じる。

「…A、俺から離れんといて、」

不安そうにそう言うと、身体を起こして私の上に跨るような体勢になる。そのまま首元に顔を埋めると、強く口付けて首筋に赤い痕を残しながら「好きやで」と優しく笑った。


( ずっと俺のものであってほしい )

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設定タグ:超特急 , 8号車 , 短編   
作品ジャンル:タレント
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sheep(プロフ) - りんさん» ありがとうございます(*´ω`*)気まぐれ更新で申し訳ないです…!頑張ります! (2017年11月11日 1時) (レス) id: 4d3ab07cfa (このIDを非表示/違反報告)
りん - すごく素敵です!続き期待してます! (2017年11月9日 19時) (レス) id: 6430758306 (このIDを非表示/違反報告)
sheep(プロフ) - 福田キャットさん» コメントありがとうございます( ; ; )うれしい…!そう言って頂けると益々頑張れます!ありがとうございます( ; ; ) (2017年10月24日 1時) (レス) id: 4d3ab07cfa (このIDを非表示/違反報告)
福田キャット(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらっています!これからも頑張ってください! (2017年10月23日 21時) (レス) id: 02d1fbcb72 (このIDを非表示/違反報告)
ネオンガール(プロフ) - sheepさん» こちらこそありがとうございます!遅くに何回もごめんなさい!じゃあ明日(もう今日だ笑)行きますね!おやすみなさい^^ (2017年10月7日 0時) (レス) id: eac264aa47 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:sheep | 作成日時:2017年10月2日 4時

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