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31つ目の解答 ページ34

utサイド

――――綺麗や


彼女が駆けつけてきて、まず始めに持った感想がそれだった
半身を返り血に染め、俺を庇うように立つ彼女を表現するだけの語彙を
俺は持ち合わせてなんかいなかった


何で助けたんだ、だとか
あれほどの速さを如何にして、だとか
そんな疑問は再び始まった戦闘音に掻き消される


相手はまだ数百はいるのに対して、此方は十数名いるか否か
しかも、その貴重な戦力ですらまともに動けるのは、いない


かく言う俺も、
銃を扱う俺にとって、利き腕の損失はあまりにも痛すぎる
もう一方の腕で応戦出来ないことはないだろうが……
銃を撃った時の反動は馬鹿に出来ないのだ


つまり、丸腰


色々な情報が、ただでさえ働かない脳の中で濁流のように暴れて、


どうすれば――――


ふと、前に目を向けると俺を守るかの如く戦うAが全て素手で応戦していたことに今更ながらに気付いた


――無意識に、己の相棒である武器を彼女に投げ渡す


銃は練習しないとまともに的に当てることは出来ない
動いている敵なら尚更


そんな当たり前の思考は浮かばなかった


ただ、今目の前で戦乙女の如く舞い、戦う彼女なら、あるいは――――


突然渡された銃に戸惑いの表情を浮かべ、振り返ったAに対して
感謝を伝えることも、激励を贈ることも、
弱い俺には出来ない
だから、


「……使えや」


彼女と目を合わせないよう、視線を故意に下げて呟く
この声が届いたのかは分からない


だけど、俺の視界の外で、確かに彼女が微笑んだ気がした


「……お借りします」


近づいてきた敵に強烈な蹴りを叩き込んでから、
二丁拳銃に持ち直す


刹那、死の暴風が巻き起こった


近い、遠いを問わず、視界に入ったそばから的確に
心臓を、脳を撃ち抜かれる
外れ球は、一つたりともない


Aが引いたトリガーの数だけ
死を叩き付けられる


ありえてはならない光景だった
数百という数の暴力に対し、たった一人の少女が圧倒的なまでの力をもってしてそれを捻り伏せるなんて


――――ただ、一つ誤算があったとすれば……


「「三秒後、球切れをおこす」」


奇しくも、声が重なった

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イオネラ(プロフ) - 、さん» おお〜、見事に誤字ってますね〜。直しておきます (2020年3月28日 13時) (レス) id: f9348e29a5 (このIDを非表示/違反報告)
- 1ページ目、「密」は「秘密」とかに使われるものであり、この文の場合は甘い「蜜」となるべきでは?中学生ならそれくらい分かると思いますが。 (2020年3月28日 11時) (レス) id: 80989d8d85 (このIDを非表示/違反報告)
イオネラ(プロフ) - ここでリクエストは終了させて頂きます。沢山のご愛読、ありがとうございます!! (2020年3月22日 12時) (レス) id: f9348e29a5 (このIDを非表示/違反報告)
イオネラ(プロフ) - ヒロインXさん» お褒め頂きありがとうございます!!zmですね。了解です〜!更新頑張って急ぎます← (2020年3月22日 12時) (レス) id: f9348e29a5 (このIDを非表示/違反報告)
ヒロインX - 突然のコメント失礼します。素晴らしい作品ですね!惚れました笑ゾムとの絡みが見たいです!お願いします。更新頑張って下さい! (2020年3月22日 10時) (レス) id: be3281a2df (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:イオネラ | 作成日時:2020年2月22日 1時

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