最適解が分からない【wrwrd】

11つ目の解答 ページ13

Aサイド

……ここで合ってるんだよね?
ドアについているプレートを確認しても書いてあるのは【会議室】

……じゃあ、

「この殺気、何?」

僕が戸惑っている理由はこれだ
今から会議します!という雰囲気に程遠い殺気がドア越しからでも分かる程に漏れているのだ

廊下にかかっている時計で時間を確認しても言われた刻限よりも半刻は早い

「……入るしかないんだよな」

せっかく入れてきた気合いが早くも削がれていくのを嫌というほど感じながら入室する


結論から言えばこの時の決断を後悔した
ドアを開けた瞬間の殺気の膨れ上がりようはもう凄いとかじゃなくて異常の域だ

「……何でこいつが来んねん」

いつもの元気よさを全て僕への敵意に変換して睨んでくるコネシマに今日ほど同情したのは初めてだろう
周りを見渡せば幹部が勢揃いして、明らかな不満を隠すこともなく出していた



あるものは一度も目を合わせようとせず、


またあるものは顔を大袈裟に歪めて見せ、


またあるものは舌打ちを零し、



こんなに嫌われていたんだな、僕って

どうでもいい、僕がどれほど嫌われようと関係ないはずなのに
そう決めたはずなのに




少しだけ……痛いや





刹那、

耳鳴りが明瞭な“声”となった


……っ!どうして……

《相変わらずの驚きようだな、A》

だから、そういうことじゃ!!

《前もいっただろう?話しかけることは契約違反ではないと》

《あと、どうして、だったか。別に特に大きな理由はないぞ?強いて言うなら…礼、だな》

……礼?

《フフッ。お前は頭が良いんだから分かるだろう?》

《まさかとは思うが……忘れたとは言わせないぞ、俺の特異性について》

……!?ちょっと、それって!!


“声”は聞こえない

自由すぎだろ……かき乱すだけかき乱しやがって

悪態をついても届いているかどうかなんて分からないので虚しさが増すだけで、



「……で、作戦についてだが…おい、無能?聞いているのか?」

グルッペンのその言葉でより重い空気が会議室という狭い空間にのしかかる

あいつ……アルとの会話で胸糞悪いが聞いておかないとまた面倒なことになるのは
目に見えているので適当に返事を返してから居住まいを正した

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