＿＿キューピッド ページ30
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見上げた空は何処までも、遠くて。
俺の叶わない想いさえも、
飛ばしてくれるほどの広さを感じた。
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s side
男が男に恋をする。
普通はありえないと言われてしまう、現代。
でも、好きになった人が女の人じゃなくて、男の人だったってだけなのに、どうしてこうも非難されるのか。
到底、理解できない現代社会の厚い壁。
偉い人だって、恋するだろうに。
偉い人だって、愛する人がいるだろうに。
どうして、同性への恋心は真っ向から否定されなきゃいけないのかな。
なんて、こんな一般人の俺が考えてもどうしようもないことを、頭の中で悶々と唱えていた。
「櫻井、おはよう。」
「おはようございます。」
ふにゃりと笑うその笑顔に、また俺は恋をする。
同じ部署の一年先輩である彼に、恋をしてしまったからには、ときめく心をそのままにできなかった。
「今日は忙しくなるぞー。」
「そうですね。…あれ、大野さん、」
「ん？」
大野さんの方を見ると、見つけてしまった首元の赤み。
それが意味することなんて分かっているのに、つい反応してしまった自分が憎い。
「あぁ、これ？」
「、はい。」
指差しながら、俺に確認する彼の顔はなんだか嬉しそうに見えて。
「つけられちゃったんだよなぁ。」
そう呟く大野さんの表情は、やけに誇らしげで。まるで俺に見せびらかすように、アピールする。
「仲良いんですね、羨ましいです。」
本当は彼の彼女に嫉妬しているくせに、口は素直に動かず、建前ばかりを並べる。
「… なんか怒ってる？」
「いいえ、怒ってません。」
「でもなんか、」
「怒ってませんってば。」
これ以上話していたら、余計なことを言っちゃいそうな気がして、その場を急ぐように席を外した。
「用事があるので失礼しますね。」
ただそれだけを残して、大野さんの元を離れると、きりっと痛む胸が平常心じゃないことを知らせた。
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もふ(プロフ) - きよさん» コメントありがとうございます。ずっと寝かしていたお話にご感想をいただけて、嬉しいです。きっと何処までも続いていくふたりの恋路を見守りながら、またふたりを描けたらいいな、と思います。再開までもう少しお待ちいただけたら、幸いです。 (2021年10月16日 17時) (
レス) id: 8ef6cca80b (このIDを非表示/違反報告)
もふ(プロフ) - 花咲*さん» 温かなお言葉をありがとうございます。大好きだと言ってくださって、とても嬉しいです。大好きなふたりをまたここで描けるように、心を暖めていきたいと思います。再開まで、もう少しお待ちいただけたら幸いです。 (2021年10月16日 17時) (レス) id: 8ef6cca80b (このIDを非表示/違反報告)
きよ(プロフ) - もふさん、可愛いお話しありがとうございます。女の子翔ちゃんならそのままでと思ってしまいそうなのに、翔くんの事なら何にも動じないで信じ、ありのままを愛せる智くんが最高です。想いが強くて女の子になっちゃう翔くんも好きです。このお二人にまた合いたいです。 (2021年10月13日 12時) (レス) @page44 id: 6c6ffed641 (このIDを非表示/違反報告)
花咲*(プロフ) - もふさんのお山のお話が大好きでした。お山信者の私はお山のお話を読むことですいつも癒されていました。ありがとうございました。また、もふさんがここに来てお話書いてくれる日を夢見て待っています。お話残して下さりありがとうございます。 (2021年10月12日 22時) (レス) @page30 id: 7a9a23c4d1 (このIDを非表示/違反報告)
もふ(プロフ) - きよさん» いつもお優しいコメントをいただき、とても支えになっていました。本当にありがとうございます。とにかく甘いふたりが好きな私にとって、今までのようなお話を書くには少し時間が必要で。心が落ち着いて書きたいと思えた時に戻ってきます。お待ちいただけたら幸いです。 (2021年10月4日 14時) (レス) id: 8ef6cca80b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もふ
| 作成日時：2021年2月7日 0時
