58 他人 (福山 side) ページ23
感情に任せて、ズンズンと体が喫茶店に向かって、気づけば小野DとAちゃんの席に来ていた
小「あ、おかえり〜。お疲れ様」
何事もないようにニコニコしてる小野Dとびっくりしているような彼女
潤「何してるんすか。昼間っから…」
小「Aちゃんとばったり会っちゃってお茶してた」
今までで初めてだった
こんなにも理性を抑えられないのは
自分では結構冷静なやつだって自負してて、時には他人に冷たすぎるぐらい、
でも彼女が関わってるからか、小野Dに対しての怒りが湧いて今でも噴火しそう
@「…潤くんっ」
パッと俺の左手がなにかあたたかいものに包まれて
涙目の彼女が視界に入った
俺は咄嗟に握られた左手を彼女の手に握り直した。
潤「…失礼します」
ポケットにくちゃっと入ってた千円札を机に置いてちらっと小野Dを見れば
何もないような笑顔で、こちらを見ていて
余裕そうなその顔にまた腹が立つ。
彼女を引っ張るようにその喫茶店を出た。
ズカズカとあてもなく歩く俺に何も言わずついてきてくれるAちゃん
しばらく外の空気に触れたら、噴火しそうだった俺の怒りという名の嫉妬が鎮まって
潤「ごめん」
人気のない小さな公園で、やっと彼女を向いて謝ることが出来た。
ひどいことを言ってしまった、
傷つけてしまった、
泣かせてしまった、
嫉妬に任せて振り回してしまった、
謝りたいことは沢山あって、それをたった三文字のごめんで済ます俺は卑怯だ
パッと離れた手は嫌な予感がした。
@「私の方こそ…ごめん、なさい、」
泣きながら謝る彼女を、慰めることも出来ず、俺はまた過ちを繰り返そうとする
潤「謝るのは…なんで?」
視線を泳がす彼女を信じられずにいる心の狭い俺がいる。
潤「…やましいことがあるから?」
好きというたった二文字の言葉もうまく言えないくせに、
傷つけることばっかいってしまう。
@「…私は…福山さんの…何になればいいですか」
悲しそうに彼女から紡がれた言葉は、どんな意味を含んでるんだろう…
潤「…何にもならなくていい…。関係ないもんね。…Aちゃんが小野と仲良くしてたからって、俺が嫉妬するのはおかしいし…赤の他人だもんね。俺達…」
@「…どういう意味ですか…」
やっぱり俺じゃない。
彼女の前では俺じゃなくなる…
そして彼女もきっと俺じゃない俺を見てるんだ
続く (更新停止中) お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←57 哀恋 (福山 side)
ラッキーソング
Loveless Dive
167人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
時雨 - 早く幸せになってほしい… (2021年12月16日 23時) (レス) @page23 id: 1f379452c8 (このIDを非表示/違反報告)
BaNaNa(プロフ) - 夏目さん» ありがとうございます!亀更新ではございますが気長に待っていただけたら嬉しいです^^* (2017年6月18日 18時) (レス) id: fa5ec5c7e7 (このIDを非表示/違反報告)
夏目 - 初コメ失礼します!このお話大好きです!!これからも更新頑張ってください! (2017年5月31日 22時) (レス) id: 4e61ef7d66 (このIDを非表示/違反報告)
BaNaNa(プロフ) - こまきさん» ありがとうございます!!福山さんの元にした歌がすごく幻想的で引き込まれるんですよ〜(><)是非聴いてみてください(笑)更新頑張ります!! (2017年5月22日 19時) (レス) id: fa5ec5c7e7 (このIDを非表示/違反報告)
こまき - 初コメ失礼します!この小説の設定がとっても私好みです。本当に泣ける!!更新待ってますm(_ _)m (2017年5月22日 10時) (レス) id: 971ef5b9e4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Banana x他1人 | 作成日時:2017年4月23日 5時