50 CAT(小野 side) ページ12
俺の中の溢れきった好きの気持ちが、強引に蓋をされて苦しくて苦しくてたまらなかった
たくさんチャンスはあったのに、幸せを壊してしまうかもしれないなんて、確証もない我儘に縛られて、
結局なにもかも失ってしまった。
それからあの公園には行かなくなった、行けなかった。
どうしてもじゅんじゅんの彼氏という先入観と嫉妬が渦巻いて、今まで通りに話せる気がしなかったから、
それでも"いつか"を待っていた。
まさかじゅんじゅんが亡くなるっていう"いつか"が来るとは思わなかったけど…
突然ふいに転がったチャンスに拾おう、拾おうって思うだけで見てるだけだった俺は、
手を伸ばせる近ちゃんさえ羨ましくて、
結局、三年の月日が経ってしまった。
もし、今度会えた時には…絶対逃げちゃダメだ。
彼女にも、自分にも、
なーんて、思ってはみたものの、1ヶ月、いや1年…どれだけ先になってしまうんだろうって。
思ってたのに…
こんなに早くくるとは思わなくて。
見覚えの後ろ姿…
あの頃と全く変わってない。
スタジオの前にポツンと1人立っていて…
久々の彼女の姿に大人気なく好きが溢れ出して止まらなくなった
1度蓋が空いてしまえば、もうどんどんと溢れ出る
小「Aちゃん」
後ろからとっておきのイケボで囁けば、ビクンっと身体が跳ねて振り向いた
@「お、小野さんっ!」
びっくりしたように、でも心做しか嬉しそうに俺に笑いかける彼女に"やっぱり好きだ"って思って…
でも、彼女の手に持っている見覚えのある携帯にチクッと心に刺さって、
俺のいけない部分を刺激した。
小「…もしかして、待ち合わせ?」
瞳をいったりきたりさせながら、首を横に振る彼女はちょっと寂しそうに笑った
@「…福山さんに渡したい物があって」
またチクチクっていけない部分を刺激して、純粋な好きの気持ちを支配していく
ギュッと繋いだ手
びっくりしたようにAちゃんが俺を見た
小「じゅんじゅん収録中だから終わるまで俺と付き合ってよ」
はずかしくて、彼女の方を見れなくて、そのまま歩き出した俺の横に合わせて彼女が歩幅を合わした
それだけで、気持ちが弾んで。
今だけはAちゃんを独り占めしてるんだ、なーんて…
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ラッキーソング
Loveless Dive
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時雨 - 早く幸せになってほしい… (2021年12月16日 23時) (レス) @page23 id: 1f379452c8 (このIDを非表示/違反報告)
BaNaNa(プロフ) - 夏目さん» ありがとうございます!亀更新ではございますが気長に待っていただけたら嬉しいです^^* (2017年6月18日 18時) (レス) id: fa5ec5c7e7 (このIDを非表示/違反報告)
夏目 - 初コメ失礼します!このお話大好きです!!これからも更新頑張ってください! (2017年5月31日 22時) (レス) id: 4e61ef7d66 (このIDを非表示/違反報告)
BaNaNa(プロフ) - こまきさん» ありがとうございます!!福山さんの元にした歌がすごく幻想的で引き込まれるんですよ〜(><)是非聴いてみてください(笑)更新頑張ります!! (2017年5月22日 19時) (レス) id: fa5ec5c7e7 (このIDを非表示/違反報告)
こまき - 初コメ失礼します!この小説の設定がとっても私好みです。本当に泣ける!!更新待ってますm(_ _)m (2017年5月22日 10時) (レス) id: 971ef5b9e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Banana x他1人 | 作成日時:2017年4月23日 5時