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頑固な彼女1.(次元) ページ3

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あなたの為だからと言われて親に反論もできずにここまできてしまった




Aは周りから羨ましがられる職業についてもどこか腑に落ちない気持ちで今日も職場へと向かう




職場近くの駐車場で目を瞑って、ふぅと息を吐くと別の人格を演じるかのように表情をつくる





「いっそのこと何処かへ行ってしまおうかな」




口から勝手に出た本音に気づいて、いけないいけないと首を振る









「おつかれさまです」




1日の仕事が終わり駐車場へと向かう足取りはまるで迷子の子供のように重く、涙が出てきた。




いつもならばここまで感傷的にならないのにな、と涙が落ちないように上を向く





あたりは暗く闇の中だ
誰も見ていないからか、心が限界を迎えたのか涙腺が緩んで前がぼやけていく
空気がいつも以上に突き刺さるように感じる








「何泣いてんだ」



「!」




まさか、知り合いに見つかってしまったのかと辺りを見渡すが、見慣れた姿の人間はおらず、ビルの路地に煙草を加えている男が目に入った





Aは自分の傷んだ心故の聞き間違えかと思い、男の前を通りすぎろうとしたのだが



「朝からよく泣くな、まだ泣いてやがったのか」


「な!」




先程のは空耳では無く完全に男が口にした言葉で、朝の行動も見られていたと知り思わず言い返す




「朝は泣いてない!」




今も涙を目に溜めたまま言い返すAに言葉の説得力は無かったが、彼はそうだったか?と言った





次の言葉を出そうにも涙が溢れ落ちてきそうで沈黙が続く
そんな中、誰か分からない彼はこう言った





「お前さんも自由に生きたらどうだ?」


「え?」


「何処かに行きたいんだろう?」






誰にも聞こえないくらいの独り言だったはずなのに彼にはハッキリと聞こえていたようで一体いつからいたのかとAは彼を視界に捉えたまま固まっていた






「酒くらいは付き合ってやるぜ」




「なんだナンパ…か」



ナンパという単語に少しムッとしていた彼だったのだが、Aはこのまま家に帰っても泣き疲れてしまうのがわかっていた為、いつもは絶対に乗らない誘いに乗ってしまったのだった














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チェシャ猫(プロフ) - リクエスト良いですか? (2022年12月28日 18時) (レス) id: af2b388f3f (このIDを非表示/違反報告)
さかなのしっぽ(プロフ) - シーナさん» リクエストありがとうございます! (2020年6月16日 2時) (レス) id: e4b8216cb7 (このIDを非表示/違反報告)
さかなのしっぽ(プロフ) - ジンloveさん» ありがとうございます! (2020年6月16日 2時) (レス) id: e4b8216cb7 (このIDを非表示/違反報告)
シーナ - リクエストです【男性恐怖症の夢主と次元】と【一国の姫の夢主に次元が迎えに行く話】と【ルパン一味に愛されてる夢主が敵に誘拐される(次元)】をお願いします!! (2020年5月29日 0時) (レス) id: e97b238670 (このIDを非表示/違反報告)
ジンlove - とっても面白いですね。 (2020年5月20日 16時) (レス) id: c6e3be00f0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きのうのひるごはん | 作成日時:2019年6月16日 2時

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