ウザイ兄との接し方【スペイン】

その23 ページ24

「第一志望校、ここでいいんだな？」
スペ「はい」

『…！』

志望校…？



［この町をうんと農業で栄えさせたいんや］


…たしかそんなことを言っていた気がする

そうだ、もう兄さんも受験だ

姿勢が全く見られずそんな感じはしなかったけど、もう高3だったんだよね

『(…兄さん、どこに行くんだろう？)』


県外…とか？


大学進学…だよねきっと


「…第一志望校、激無図大学」


『…！？！？』

先生から聞こえた衝撃の事実に思わず目を見開く


激無図大学…！？あの、超難関の！？



うっそ…そんな、難関校目指してたのあのアホ…！？

いや、実際兄さんの成績は知らない。

普段の行動からただのアホだと決めつけてたけど、本当はいいのか？


ーーーーー

スペ「A〜、宿題出すんわっせとったけん放課後やらなあかん〜先帰っといてぇ」
『なにやってんだよ…あといつも一緒に帰ってねぇだろ。』

ーーーーー

スペ「いやぁぁぁぁ今日模試やぁぁぁ！！！」
『うるせぇぇ！！』


ーーーーー



『』



『(…うん)』


『(やっぱただのアホだわあれ。)』


「えっと…志望理由、もう一度聞かせてくれないか？」

スペ「はい！ここの大学やと専門的な農学知識が学べるんです！」
「だいたいの大学がそうだと思うぞ。」

スペ「俺はこの町を栄えさせたい。工学や、そんなんじゃなく、人の食を支える農学で。その為に俺が大学でいっぱい学んで、それをこの町の為に全部使いたいんや！」


『………』

私はノートを数える手を止める


スペ「…てまぁ…ふわふわしとって綺麗な文にならんのやけど…」

そうだ…兄さんは、やっぱり兄さんなんだ

兄さんなりに、考えてこの進路にしたんだね

この町の為に働きたいって想いは本物なんだね

だって、兄さん。

この町が大好きなんだよね



『(…私はなにもいわず、応援しよう。)』


それが私ができる精一杯のことだ


今日のご飯はこないだレシピ本で見たトマトシチューにしよう。
兄さんが作ったトマトたっぷり入った



「そうか…お前を尊敬するよ。そんなにこの町の為に考えていたとは…」


スペ「…へへ」

「でもな、お前…」




「G判定じゃねぇか」







『…全然点足りてねぇじゃねぇか！！！！！』

スペ「うわ！A！？」


【ウザいポイントその17:口だけはいっちょ前】


『G判定なんて聞いたことねぇよ！！』
スペ「い、今から挽回できるかも」『出来ねぇよ！！』

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