一歩を踏み出す ページ47
目覚ましの音が聞こえてベットから起き上がってカーテンを開けて窓を開けた
春のポカポカした暖かさと太陽の光が体全体を包み込んで深く深呼吸して新しい煙草の箱を開けて
吸い始めた
久しぶりに目覚めの良い朝で気分がいい
昔の夢を見ることが増えて今まで向き合う事から逃げていたからこそ夢の中で向き合うようになった
もしかしたら一歩を踏み出すことが大切なのかもしれない
昔の自分と決別することが大切なのかもしれないと思った
森田さんの事を好きな私をいったん忘れたほうがいいのかもと
吸っていたタバコを吸い終えると歯を磨いて服に着替えて家から出て劇場に向かった
よしもと漫才劇場
山「おはようA」
「おはよう」
山「あれ?今日なんか気分いいんか?」
「なんで?」
山「いや、感やけどなんか昨日が死にそうなほど顔色やったからそれに比べりゃ全然ましやから」
「死にそうやないわ!!クッソほど元気や」
山「せやったらええわ」
「でも、そろそろ一歩踏み出そうかなって」
山「一歩ってまさか森田さんに告白するんか!!」
私は山本の口を手で息が出来ないほど強い力で押さえた
「やかましいし声がデカいわ!!」
山「むぐぐぐぐっ...(息できへん!!苦しい苦しい)」
私は山本を開放するとものすごい勢いで呼吸をし始めた
山「アホかっ!!お前俺を殺す気か」
「もう少し声が大きかったらホンマにお前を殺してたわ」
山「Aが言うと冗談に聞こえへんから怖いわ」
「冗談ちゃうで」
山「せめて笑って言ってや」
そう言われてから私は笑って
「冗談やで(笑)」
山「今さら笑われてもな」
「話が大分それたけど別に森田さんに告るとかそう言うんとちゃうくて......むしろその逆や」
山「逆?」
「少し森田さんの事が好きだった私を忘れてみようかなって思てんねん」
山「忘れるってどういう事やねん」
「そのまんまや、忘れるって事や、別に存在を忘れるとかちゃうで」
山「そりゃ分かっとるわ(笑)」
「ただ...一歩進みだすって考えると忘れな成長できんかもしれへんやん」
山「じゃあ恋心も忘れるっちゅうことか」
「まぁ......簡単に言えばそう言う事かもな」
山「そんな簡単に忘れる事ってできるんか?特に恋心とかを」
「せやから、新しい恋とかしてみたいな〜って」
山「そんなこと言ったらえらい目にあうぞ」
「えらい目って?」
山「わからへんのなら別にええけどな」
その山本の言葉の意味が分かるのはしばらく後
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作者名:リンさん | 作成日時:2022年2月28日 22時